2001 Fiscal Year Annual Research Report
第一原理分子動力学法によるカーボンナノチューブの機械的・電気的特性解析
Project/Area Number |
13875022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 隆行 京都大学, 工学研究科, 教授 (20169882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅野 宜崇 京都大学, 工学研究科, 助手 (40314231)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 第一原理 / 分子動力学 / 機械的特性 / 電子構造 / 微視的構造 / ひずみ / 原子構造体 |
Research Abstract |
第一原理分子動力学法を用いたシミュレーションにより、CNTに荷重を加えた際の変形挙動を観察し、その機械的特性を明らかにすることと変形に伴う電子構造の変化を調べることを目的としている。 本年度は、平面波基底を用いた量子力学シミュレーションとタイト・バインディング法に基づく非経験的シミュレーションを行った。はじめに、グラファイトシートについて解析し、シミュレーションの有効性を評価した。とくに、引張変形下の特性および6員環から5員環と7員環への組換えについて検討し、両法で良好な結果が得られることを確認した。また、負荷方向と微視構造の関係についても検討を行った。次に、単層アームチェア型単層とジグザグ型のカーボン・ナノチューブ(直径約1nm)の引張シミュレーションを行った。両者の引張強度は約120nNであり、ともに脆性的な破壊挙動を示す。剛性はジグザグ型がアームチェア型より大きく、特性はチューブの微視構造に依存することが明らかになった。さらに、Brennerポテンシャルを用いてアームチェア型とジグザグ型を連結した屈曲部を有するカーボンナノチューブの構造とその変形特性に関するシミュレーションを行った。屈曲部には5員環と7員環が存在し、チューブの曲げ変形に伴ってひずみ集中が発生することが判明した。局所のひずみ評価法について検討中であり、カーボンナノチューブの原子構造体としての強度解析に結びつける予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 北村隆行: "原子構造体の不安定性解析法とナノ薄膜の理想強度解析への適用"日本機械学会論文集,A編. 68・665. 104-110 (2002)
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[Publications] 梅野宜崇: "原子構造体における不安定変形開始条件"日本材料学会第50期学術講演会講演論文集. 01・0. 265-266 (2001)