2001 Fiscal Year Annual Research Report
誘導放出を用いた油膜厚さの新しいレーザ計測手法の開発
Project/Area Number |
13875031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畔津 昭彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80184175)
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Keywords | 油膜厚さ / レーザ計測 / レーザ誘起蛍光法 / 誘導放出 / 非接触計測 / 蛍光色素 |
Research Abstract |
本研究では,誘導放出光を利用することにより,迷光等の影響を受けない,油膜厚さの新しいレーザ計測手法を提案し,その有効性を明らかにすることを目的としている.本年度は第1年度目として,主としてレーザ励起・誘導放出光計測システムの整傭と,油膜厚さ計測における適用範囲の予傭的検討を進めた. 計測システムとしては,Na:YAGレーザを光源とし,分光器及びマルチチャネル光検出器からなる,分光計測システムを整備した.また平行2平面閥の隙間状流路に液体を流すことにより,任意厚さの液体膜・油膜を形成することが可能な実験装置を試作した.なおレーザ光入射側の平面はガラスで,一方反射側の平面は鏡面仕上げの金属板とした.予備的な実験の結果,レーザ光の入射効率を高めると共に,測定部で発生する蛍光の反射効率を高めて,誘導放出光の発生を容易にするためには,適切なダイクロイックフィルタを,液体膜側のガラス面にコーティングすることが効果的であることを確認した. 供試液体に混合する色素としては,使用するNa:YAGレーザの第2高調波(532nm)の吸光係数が高いことと量子収率が高いことが,蛍光強度を高める上で重要であるとの観点から,供試液体が水の場合はローダミンBを,また供試液体が潤滑油の場合はフェノキサゾン9を選定した.また蛍光強度測定実験を実施し,その妥当性を確認した. 供試液体を水とし,また色素にローダミンBを採用して、誘導放出光の発生・液膜厚さ計測の予備的検討を行った.その結果,現状の計測システムでは,100μm程度以上の厚さであれば,十分に液膜厚さ計測に耐えるS/N比が得られることを確認した.色素濃度の最適化,受光光学系の改良などにより,より薄い液膜に適用できるようにすることが次年度の課題である.
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