2001 Fiscal Year Annual Research Report
人体の熱的特性の解明とモデルの構築―医学的および日常的応用を目指して―
Project/Area Number |
13875040
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
庄司 正弘 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 大定 埼玉医科大学, 総合医療センター外科, 教授
井上 満 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30010854)
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Keywords | 人体熱モデル / 熱画像 / 沐浴 / 生活活動 / 健康管理システム / 温泉療法 |
Research Abstract |
人体の熱的特性は多岐にわたるため、単年度研究として(1)人体モデルの構築、(2)その実験検証、(3)生活行動と人体温度、の3課題について理論的、実験的研究を行った。(1)の人体モデルでは、人体を頭、腕、手、胴体上部、胴体下部、足、足元の7要素に分割、それぞれの要素について、中心部(core)、筋質部(muscle)、脂肪部(fat)、表皮部(skin)に分割し、これら29要素に加え、血液要素を加えた都含29要素からなる熱モデルを構築した。そして環境と放射、対流、物質移動があるとし、要素間での熱移動(熱伝導)を考慮した。このモデルの検証のため・今回の(2)の実験では特に、沐浴前後の温度変動を調べる実験を行った。これは、水泳、温浴、冷水浴など、人間の諸活動における応用を考えての実験である。被験者5名はいずれも青年であり対象はやや限られるが、被験者の示す温度応答はいずれも構築したモデルの予測とよく合致した。この研究とは別に、(3)の研究では、人体の温度と生活行動の関連性について実験的に調べた。すなわち、人体の温度、特に行動に敏感に反応すると考えられる顔及び掌の温度の変化を、1)食事、2)頭脳作業、3)自律神経緊張、の前後で調べた。そして、これら行動と温度の相関をよく表す温度分布率の新しい表現法を提案すると共に、健康状態の変化(血圧の上昇)をこの温皮分布率(鼻と手首の温度)でよく検出できることが判明した。こうした成果は、在宅介護支援システムや健康管理支援システムに有効と考えられる。研究の成果はまだ公表していないが、学術誌に投稿すべく準備している。
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Research Products
(1 results)