Research Abstract |
本研究の目的は,コミュニケーション生成に必要な「他者の意図」理解の第一ステップとして,他者の行動を観察して,その運動を自己の運動として生成する機構を設計し,実ロボットを使って検証する事である.このため,初年度は,他者の行動観察から自己運動生成のための目標起動生成アルゴリズムの開発及び,シミュレーション,並びに,実ロボットの仕様を決定した.前提条件として,他者と自分がおなじ身体構造をもつとこと,ステレオカメラを持ち,画面間で,特徴点の対応が可能とであることとする.以下にその実績をまとめる. 1.呈示者の行動の観測から,呈示者の視点で他者が自身を観測する画像が再現できれば,それを学習者が模倣すべき自身の行動と見なせる.これを実現するために,.ステレオエピポーラ拘束を用いて,呈示者視野を復元する手法を開発し,二菱重工のロボットアーム,ステレオカメラを用いて基礎実験を行い,手法の有効性を検証した. 2.1.の実験では,ステレオエピポーラ拘束を適用するために,呈示者と学習者の初期姿勢が同一であるという条件が必要であった.そこで,初期姿勢が異なるときには,同一と見なして呈示者視野復元結果が誤差を持つ.そこで,その誤差を評価関数として,最急勾配法による最小化により,呈示者の初期姿勢を学習者の行動を通して推定する手法を考案し,実機を用いて検証した. 3.上記の実験では,呈示者の位置・姿勢が変動すれば,その都度,エピポーラ拘束を推定しなおさなければならない.そこで,呈示者の異なる位置・姿勢に対して,複数の模倣学習モジュールを用意し,競合的な学習過程を通じて,それぞれの位置・姿勢に対して専門学習器を自律的に割り当てるニューラルネットワークを考案し,実機実験により,その有効性を検証した.
|