2001 Fiscal Year Annual Research Report
一層構造導波管アレイアンテナのビーム走査のための位相器を節減した給電系の研究
Project/Area Number |
13875073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
櫻井 仁夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30016620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 二郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00228826)
安藤 真 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90159533)
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Keywords | 一層構造導波管アレイアンテナ / ビーム走査 / 位相器 / 量子化誤差 / チルト角 / グレーティング・ローブ / サイドローブ・レベル |
Research Abstract |
本年度の計画は、給電点の節減で生じる位相の階段的変化による量子化誤差および2つの放射導波管に対する位相および振幅の分岐誤差による指向性への影響(グレーティング・ローブの発生、サイドローブ・レベルの上昇等)の切り分けを主目的として、製作誤差が発生しにくい4GHzで給電回路を試作し、詳細なモデル実験を行い、有限構造の解析の可能性を探る。試作モデルは連結を考慮した2本の放射導波管、連結用入出力と2つの給電点、合計6つのポートを有する構造で、各ポート間の振幅差、位相差、反射特性等をベクトルネットワーク・アナライザで測定した。 1.連結用入出力の反射特性については、解析結果に等しい特性が得られたが、2つの放射導波管の振幅差と位相差に設計の重点を置いたため、基本構造の連結によって生じる反射波の打ち消しを十分に考慮しておらず-3〜4dB程度とあまり良好な特性ではなかった。この、基本構造を連結する場合には相互の結合を考慮した有限構造の解析が必要であり、給電点の反射特性についてもチルト角によって特性が大きく変化するので、さらに検討の必要がある。 2.2つの放射導波管の位相差に関しては設計周波数で6°以下とほぼ設計通りの値が得られ、さらに2つの給電点に与える位相差を変化させると、放射導波管に生じる位相差はきちんとその半分になることもわかった。しかし、振幅差は、チルト角によって0.5〜2dB以上の誤差を生じていた。これら放射導波管における分岐誤差の所望の指向性に与える影響をシュミレイションしてみると、サイドローブ・レベルを-20dB以下におさえるためには、位相差6°、振幅差1.5dB以下におさえる必要があり、位相差に関してはこの条件をほぼ満足しているので、今後はこれらの結果を基に、振幅に関してより高い精度の解析を行い、位相器を削減したアレイアンテナを12GHzで試作し、近傍界測定等により特性の解明を行う。さらに、給電導波管を傾斜させ留ことにより給電位相をなめらかに補正して量子化誤差による指向特性の劣化を改善するための給電回路の解析、設計を行う。
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Research Products
(2 results)