2001 Fiscal Year Annual Research Report
流域負荷を考慮したマングローブ林の物質循環機構に関する研究
Project/Area Number |
13875088
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 駿介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60016590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 祐嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60301173)
浦瀬 太郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (60272366)
|
Keywords | マングローブ / 物質循環 / 朝汐 / 洪水流 / 流域 / 土砂生産 / 有機物 / 栄養塩 |
Research Abstract |
沖縄県石垣市名蔵川河口マングローブ水域を対象として,マングローブ林内に海水の氾濫する大潮期に流速計測,河川水,マングローブ林内地下水およびのクリーク(マングローブ林内の小水路)水中の有機物・栄養塩濃度の計測を実施した.観測の結果,河川内の土壌と比較して,マングローブ林内の土壌には大量の有機物・栄養塩を含有していることが明らかになった.マングローブ林から河川への栄養塩供給に関して,溶存態窒素に関してはクリークを通した輸送が支配的であるのに対して,溶存態リンおよび有機炭素に関しては地下浸透流による輸送が支配的であり、物質によってマングローブ林から河川内への輸送形態が異なることが明らかになった.また,上げ潮時に沿岸域から酸素の多い水塊が浸入することによって,マングローブ林内の貧酸素化が低減され,底生生物にとって良好な環境が作り上げられていることがわかった. 降雨時における流域からの土砂・物質負荷がマングローブ林の土壌環境に与える影響を明らかにするために,流域からの土砂生産特性および河道内での土砂輸送特性に関する現地観測を実施した.現地観測は,上記と同様に沖縄県石垣市名蔵川流域を対象として実施し,流域内の地形測量,流域内のサトウキビ畑や水田における土地利用別の原単位土砂流出量の測定を行った.サトウキビ畑からの土砂生産に関しては,サトウキビの成長段階による土砂生産量の違いを明らかにするため,成長度の異なる3つの畑を選び測定を行った.また,名蔵川の本川や支川において,水位,流速,濁度の計測を行った,現在これらの観測データの整理を行っている段階である.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 赤松 良久: "マングローブ水域における有機物・栄養塩輸送に関する現地観測"水工学論文集. 45. 1051-1056 (2001)
-
[Publications] Yoshihisa Akamatsu: "Field observations on tidal transport of organic materials and nutrients in a mangrove area"Proc. 2nd IAHR Symp. on River, Coastal and Estuarine Morphodynamics. 2. 413-422 (2001)
-
[Publications] 赤松 良久: "マングローブ水域における地下浸透流による有機物・栄養塩輸送"第56回土木学会年次学術講演会講演概要集. (CD-ROM). (2001)
-
[Publications] 中嶋 洋平: "マングローブ水域の土壌特性に関する現地観測"第56回土木学会年次学術講演会講演概要集. (CD-ROM). (2001)
-
[Publications] 赤松 良久: "現地観測に基づくマングローブ水域における有機物・栄養塩輸送に関する研究"第11回日本亜熱帯生態学会年次大会講演要旨集. (2001)