2001 Fiscal Year Annual Research Report
アイス・ベッド・クーリングによる高湿度氷温貯蔵環境の形成
Project/Area Number |
13875102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
石田 秀樹 北海道東海大学, 芸術工学部, 教授 (80168228)
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Keywords | 氷床冷却 / 人工氷室 / 高湿度 / 低温貯蔵 / 萎び / 青果物 |
Research Abstract |
本研究は、従来の空気冷却方式に代えて、貯蔵庫内の水槽水を直接冷却することによって氷水面を形成し、冷却と同時に高湿度が維持される氷温環境を形成しようとするものである。 初年度は、厚い断熱を施した小型試験貯蔵庫を作成し、小さな冷却力の導入により庫内に氷温面の形成を試み、氷水の形成状態と庫内の温湿度分布および氷温環境維持に要するエネルギー等の基礎計測を行った。 試験貯蔵庫は、深さ10cmの氷水槽を内蔵した、床面積=約1.45m^2(間口:900mm,高さ:820mm,奥行き:1,620mm)内容積=約1,200リットルの断熱(FP板100mm)BOXである。 氷床近傍(氷水面上+80mm)の温・湿度は3℃・88%,最上部は8.5℃・67%で、平均消費電力は29wattであった。庫内の空気を攪拌(0.5m^3/min)して温湿度の均一化を計った場合、氷床近傍は2℃・95%・最上部は3.5℃・84%で、平均消費電力は57wattであった。観測時の庫外温度はいずれも約21℃である。 本試験庫で氷水状態を維持するに要した電力は、通常(静穏)冷却時:約330watt/day(約12円/日),空気攪拌時=約640watt/day(約25円/日)で、気積当たりの消費電力は、一般的な家庭用冷蔵庫(内容積300〜400リットル)と比較して、おおよそ1/5(空気攪拌)〜1/10(通常冷却)であった。 本方式により、野菜類の萎びを防ぐために不可欠な低温域での高湿度維持が容易になることに加えて、水・氷の潜熱容量が複雑な温湿度制御を不要にして、エネルギー消費を低く抑えながら安定した高湿度の疑似氷室環境の形成が可能となることを確認した。
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