2001 Fiscal Year Annual Research Report
シャドウ効果と幾何学的効果を活用したポーラスな機能性薄膜の作製
Project/Area Number |
13875114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
入戸野 修 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40016564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳賀 由美子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (10262297)
中村 吉男 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00164351)
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Keywords | 蒸着法 / スパツタ法 / シャドウ効果 / 成長形態 / 多孔性 / 結晶配向 / アルミニウム / アンモニアガス |
Research Abstract |
本研究の目的は,素材と反応性の高い活性ガスとを適切に選定することで,ミクロ・マクロの複合化と3次元形態を同時に図る合成様式・合成装置の設計概念を確立することである.具体的には,(1)マクロ・ミクロな複合化と[シャドウ効果+幾何学的効果]による飛来粒子の分布制御を同時に実現できる合成装置を試作し合成様式の開発する,(2)適切な素材の選定により合成様式を決定する条件を確立する,(3)さらに新機能性材料を高効率に創成する条件の確立法と実際の応用への指針を与えることを目的とした. 今年度は素材と反応ガスの選定条件の拡大を再調査・実験することから開始した.反応ガスの利用範囲を拡大するためにアンモニアガスを直接導入する装置を作製して,金属の蒸気をその中に輸送する反応様式で幾何学的効果とシャドウ効果により3次元的成長様式を実現ことを目指した.金属素材として純A1,反応ガスとしてアンモニアガスを選定し,反応ガスと供給する金属蒸気やスパツタ粒子の飛来方向を変化させて,半導体AIN膜を合成し,その結晶形態と結晶性について調べた.主な結果は以下の通りである:試作した装置は,ミクロ・マクロの両面でシャドウ効果と幾何学的効果を効果的に活用でき生成する物質の3次元的形態を変化させられることが分かった.すなわち,スパツタ法ではc軸配向が多いのに対して,本合成法ではa軸配向性の高いAIN膜が得られ,膜の配向性と反応特性との間に相関関係があることを示唆する結果が得られた.また,本装置では,ミクロ・マクロ的な複合・調和融合と高次構造化した薄膜を創成できること,素材の選定と反応生成・堆積によりプロセスの簡略化・低価格化が図れること,蒸着源を複数個装備することで成膜時のアシスト効果も活用できる配置を図れること.交互積層,断続積層,その組み合わせにより,高次構造の制御ができるなど以後の研究に対して貴重な基礎的知見がえられた.次年度は,この成果を活かし表面積の大きいポーラスな薄膜を合成し光・電場・磁場に適応する機能性(伝導機能や磁気抵抗効果)を発現する材料を創成する.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.A.Taher, Y.Haga, Y.Nakamura, O.Nittono: "Quality Improvement by Annealing for Flash-evaporated Thin Film"Materials Transactions. 42-12. 2584-2589 (2001)
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[Publications] Y.Haga, N.Nakaya, E.Takeda, O.Nittono: "Preparation and magnetooptical Properties of AIN-Fe Granular Film"Jpn. J. Appl. Phys.. 40-11. 6561-6565 (2001)
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[Publications] J.Shi, M.Azumi, O.Nittono: "Structural and Magnetic properties of Co-C composite films and Co/C multilayer films"Appl. Phys. A. 73. 215-218 (2001)