2001 Fiscal Year Annual Research Report
スクラップ鉄からの複合電解析出を利用した高機能鉄鋼材料の創製
Project/Area Number |
13875129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
友田 陽 茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 吉隆 住友金属工業(株), 総合技術研究所, 主任研究員
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 講師 (70261740)
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Keywords | ランクフォード値 / 電解析出 / 粒界すべり / リサイクル / 高純度鉄 |
Research Abstract |
リサイクルの持続性および経済性を考えると、元の性質と同等かそれ以上の特性を有する材料に再生することが重要である.鉄鋼材料のリサイクルを容易にする上で、現在、問題となっている循環性元素除去の課題を克服し、同時に超微細組織あるいは好ましい集合組織を単純組成鋼で実現し、従来の特性を凌駕する特性をもつ鉄鋼材料を創製することをねらって研究を進めた. 本手法は集合組織制御法として有望で、その例として通常の鋼板のランクフォード(r)値が1.5から3.0程度なのに対して、高純度電解析出純鉄では7.0超える特性が得られた。電着後に焼きなましによって結晶粒を粗大化させた試料も用意した。X線回折結果より電着板は板面に、強い<111>繊維状集合組織を有し、結晶粒が粗大化してもその集合組織をほぼ維持していた。種々な温度で引張試験を行ったところ、室温では電着状態で大きなr値が得られるが、結晶粒がほぼ等軸粒に成長した焼きなまし材ではr値は通常の板のように2前後に減少した。したがって、高r値出現の原因は集合組織のみではない。表面のすべり線をレーザー顕微鏡で定量的に測定し、TEMにより内部変形組織変化を観察した結果、r値の高い原因は微細柱状晶多結晶体の常温における粒界すべりであることを明らかにした。そのため、電着板でも粒界すべりの発生しにくく低温で変形させるとr値は低かった。なお、r値は電着条件に強く依存して変化がみられた。そこで、純鉄および市販炭素鋼を用いて、電解溶液、電圧・電流、pH、浴の温度等に関する最適条件について検討を続けている。
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