2001 Fiscal Year Annual Research Report
高速遠心成形法を利用した表面傾斜金属化接合用アルミナの創製
Project/Area Number |
13875140
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
篠崎 賢二 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70154218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深谷 保博 近畿大学, 工学部, 教授 (40268454)
鈴木 裕之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90284158)
黒木 英憲 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80037853)
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Keywords | 高速遠心成形 / 金属傾斜化セラミックス / 熱応力緩和 / FEM解析 / Nb傾斜アルミナ |
Research Abstract |
金属とセラミックスの接合における残留応力の緩和,および界面反応性の向上を目的に,高速遠心成形法に用いて,単一プロセスで表面に金属粉末を傾斜化させたアルミナの創製を試みると共に,その接合性について検討した.結果を以下にまとめる. 1)接合金属としてNbとステンレス鋼(SUS304)を選び,これらの金属と傾斜化アルミナの接合界面に生じる応力状態をFEM解析した結果,Nb/Nb傾斜アルミナの界面近傍応力はアルミナ中のNb傾斜幅を大きくすることによって改善できることが明らかになった.一方,SUS304/SUS304傾斜アルミナの接合では,傾斜部厚みや傾斜分布形状の変更によっても,目立った応力緩和効果は認められなかった. 2)アルミナ表面の金属傾斜分布形状を制御するために,粉砕時間を変えた金属粉末をアルミナに加えて高速遠心成形を行った結果,粉砕時間の異なる粉末を混合し,更に粉末量を制御することで,傾斜域厚さ5mmで金属の濃度分布が緩やかに変化するNb傾斜化アルミナ成形体を得ることが出来た. 3)Nb傾斜およびSUS304傾斜化アルミナを放電焼結法で焼結した結果,それぞれ1673K×600s,1523K×3.6ksで焼結可能なことが分かった。Nb傾斜化アルミナでは割れが発生しなかったのに対して,SUS304傾斜アルミナは金属粉末量が増加するに従って傾斜部とアルミナ界面において割れが生じた. 4)Ag-27.5mass%Cu-2.0mass%Tiろうを用いて,Nb傾斜アルミナとSUS304との接合を試みた結果,傾斜部が厚く金属量が緩やかに変化するようなNb傾斜アルミナを用いることで,割れのない金属/セラミックス接合体継手が得られ,この方法によって割れ発生を防止できるだけの応力緩和効果が期待できることが明らかとなった。
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