2002 Fiscal Year Annual Research Report
構造規定剤を用いた構造構成単位の組織化による新規ゼオライト構造の創出
Project/Area Number |
13875151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 達也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (40203731)
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Keywords | ゼオライト / 核発生 / 結晶成長 / 前駆体 / 構造規定剤 / 流通合成 / バッチ合成 |
Research Abstract |
従来の合成法の限界をうち破り、目的に応じた結晶骨格構造を設計する手法を開発することが本研究の大きな目的である。そのために構造構成単位(building unit、以下BU)を構成するための構造規定剤(structure-directing agent,以下SDA)とこれらのBUを組織するSDAを独立に利用可能な新規プロセスの開発を狙う。 初年度はバッチ型オートクレーブを用いて、シリカ源、アルミナ源とSDA源の選択、反応条件の確定を中心に検討した。SDAとして有機物は、結晶化速度が遅く、流通系への展開が困難であると考えた。そこで、水和したアルカリカチオンが構造形成に主要な役割を果たすと考えられる系を中心に検討を行った。Na^+を用いて合成されるFAU型ゼオライトに着目して検討を行った。これらの過程を固体NMRとラマン分光法を用いて評価を行い、各パラメータの影響を検討した。更に昇温時の温度プロファイルや原料の中途混合による影響を検討した。また流通型合成装置の試作を行った。合成の進行に伴い、粘度が上昇し、装置の目詰まりが生じやすいため、試行錯誤により、長い時間運転が可能な合成条件を検討した。 これらの予備実験を踏まえて、第二年度は新規プロセスの開拓を目指して検討を進めた。前駆体はアルミノシリケートの6員環または二重6員環で、これらが昇温前の室温下での熟成過程で生成するものと考え、バッチ型の反応器を用いて、これらの生成速度を促進する操作条件を確定した。更に次の段階でこれらの結晶化する最適条件を確定した。最終的にこれらの知見を元に流通型合成装置の検討を行った。昇温速度の制御、途中混合の実現により、バッチ型の反応器よりも有利な条件で目的物を合成することを示すことに成功した。
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