2002 Fiscal Year Annual Research Report
塩基対形成で組織化したジアセチレンアレーによる単一分子ワイヤーの作製と導電性測定
Project/Area Number |
13875179
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
居城 邦治 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (90221762)
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Keywords | 核酸塩基 / 水素結合 / 単分子膜 / 自己組織化 / ナノワイヤー / ポリジアセチレン / 光重合 / 導電性 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブやシクロデキストリンチューブやミセルの集合体などに見られるチューブ構造は、ナノメートルスケールで物質の輸送することができることから、大変注目されている。しかし、チューブ構造は長さがマイクロメートルに至るため、分子設計して全体を合成することは大変困難である。そこで環状構造体を積み重ねればチューブ構造が形成できると考えた。これまで我々は気水界面における核酸塩基対形成について研究を行ってきた。核酸塩基対の形成は相補的すなわち特異的であり、また方向性が制限されていることから、環状構造体の積み重ねの駆動力として使えると考えた。すなわち環状のオリゴヌクレオチドを用いることで塩基対形成によりチューブ構造が形成できると期待される。本申請の研究目的は、環状オリゴヌクレオチドを合成し、水溶液中や有機溶媒中において自己組織化によりチューブ構造を作製することである。交付期間内に環状オリゴヌクレオチドの合成法の確立とチューブ構造の作製条件を探索する。 上記の目的に従って、本年度は下記のことを行った。 1 環状オリゴヌクレオチドの合成 液相法で環状オリゴヌクレオチドを合成した。リン酸基を保護したままヌクレオチドを伸張し、環化反応を行い、その後リン酸基の保護基をはずして目的物を得た。今年度は環状オリゴチミン4量体、環状オリゴチミン6量体、環状オリゴチミン8量体、環状オリゴチミン10量体を合成した。 2 環状オリゴヌクレオチドの分子認識 合成した環状オリゴヌクレオチドを含む下水相表面に、アデニン界面活性剤の単分子膜を作製し、環状オリゴチミンの塩基対形成について検討したところ、ワトソン-クリック型の塩基対が形成することがわかった。
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Research Products
(1 results)