2001 Fiscal Year Annual Research Report
身体と環境との相互作用により引き込みを生じる運動の発現解明と実現に関する研究
Project/Area Number |
13875191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
泉田 啓 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60206662)
|
Keywords | 身体 / 環境 / 相互作用 / 引き込み / 安定化 / 蝶 / 羽ばたき / シミュレーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,人間や動物等の運動が,小脳や神経回路網でなされた情報処理と制御によって,引き込み現象として実現されているかを明らかにすることである.また,引き込みを生じるための運動軌道と制御の設計論を検討する.さらに,そのために必要となる適応・学習機能を明らかにし,ニューラルネットワークで実現する方法論を検討する.その結果,身体と環境が相互作用を起こしつつ,環境の変動に適応性を発現する機能の実現を目的とする. 上記の研究目的で,下記の研究を行った. (1)動力学シミュレータ 蝶の羽ばたき飛翔の動力学シミュレーションを行うために,コンピュータ環境を整備した.また,蝶を多剛体系と仮定して運動方程式を導出し,空気力を付加質量の慣性力と翼面の動圧に比例する力として,数学モデルを定式化した.プログラムを開発し,蝶の羽ばたき飛翔の動力学シミュレータを構築しつつある. (2)羽ばたき運動の実験計測 胸部を天秤に固定した蝶を風洞中に置き,一様流中で羽ばたかせる.その際の運動をカメラで光学的に計測し,同時に蝶を固定した天秤で力を計測するシステムを構築し,実験により運動と力のデータを取得した.また,羽ばたき時の流れを煙により可視化して,翅周り流れの様子を観察した. (3)羽ばたき運動のシミュレーション 蝶の羽ばたき運動のシミュレーションを行い,実験結果と比較した.シミュレーション結果は,実験データと定性的に符合しているが,定量的な差異が認められる.上記(1)で構築したシミュレータでは,翅の変形を考慮していないこと,翅の後縁から放出される渦を考慮していないこと等が原因と考えられる. (4)羽ばたき飛翔の実現 胸部を固定して計測された蝶の羽ばたき動作は,飛翔時の動作とは異なると考えられる.現在のシミュレータの精度は保証できないが,シミュレータを用いて数学モデルの蝶を飛翔させる動作を探索し,実際の蝶の羽ばたき動作の再現を試みている.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] K.Senda et al.: "Hardware Experiments of A Truss Assembly by An Autonomous Space Learning Robot"Journal of Spacecraft and Rockets. (Accepted). (2002)
-
[Publications] K.Senda, T.Tanaka: "Neural Motion Generator for Feedback Attitude Control of Space Robot"Machine Intelligence and Robotic Control Journal. (Accepted). (2002)
-
[Publications] K.Senda, Y.Okano: "Autonomous Environment Recognition by Robotic Manipulators"Proc of IEEE International Symposium on Computational Intelligence in Robotics and Automation. TP-7-3. 444-449 (2001)
-
[Publications] K.Senda, T.Tanaka: "Feedback Attitude Control of Space Robot using Neural Motion Generator with Oscillator and Modulator"Proc. of AIAA Guidance, Navigation and Control Conference. AIAA-2001-4230. 1-7 (2001)