2002 Fiscal Year Annual Research Report
屋外生活環境における紫外線Bの影響軽減に資する緑地整備に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13876007
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
包清 博之 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60161171)
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Keywords | 生活環境 / 緑地 / UVB / 行動特性 / 自然的要素 / 人工的要素 / 類型化 / 照度 |
Research Abstract |
太陽紫外線の中で波長域290nm〜315nmのUVBが人体への健康に及ぼす影響が危惧されてきている。そこで本研究では,緑地整備を通じて,屋外生活環境で人々が曝されるUVBの受光量を軽減するための計画論的方法に関する基礎的示唆を得ることを目的とした。具体的には,以下の(1)(2)の調査・検討をおこなった。 (1)人々の生活行動からみた屋外生活環境の類型化と調査対象地の選定に関する調査・検討 福岡市の既成市街地を対象に,複数の地点での調査を通じて,近隣および遠来の人々の来街頻度,回遊特性などを検討し,多くの人々が離合集散する場所を把握した。また,街路樹などの緑の存在による木陰の有無も把握した。これらの場所の中で,計測機器の設置可能な地点を計測地点とした。 (2)生活環境におけるUVBの軽減に資する緑地整備の方法に関する検討 上記で設定した調査地点において,UVB及び照度を計測した。使用した機器は,紫外線計は英弘精機株式会社製MS-211-Iと,照度計はミノルタ社製T-10である。機器設置の高さについては,検討の結果地上約140cmの位置とした。また,各計測機器は,日向と日陰に設置することとした。計測地点が建物の影になる場合や天空の状態が曇りの時,また晴天時でも夜明けおよび日没直前にはUVBは計測されなかった。晴天時の直射光下では,11時から15時ごろの紫外線量の多い時間帯でUVBが計測されたが,UVBの計測方法として天候や風による木陰のゆれ動きなどによる日射の変化への対応などが課題となった。計測結果などを踏まえ,上記(1)で捉えた人々の行動特性と場所との対応関係を検討することで生活環境におけるUVBの軽減に資する緑地整備の方法に関する基礎的な示唆を得ることができるものと考えている。
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