2001 Fiscal Year Annual Research Report
オーキシン応答性遺伝子の発現を制御する転写因子の単離・構造解析
Project/Area Number |
13876025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山根 久和 東京大学, 生物生産工学研究センター, 教授 (80090520)
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Keywords | 窒素固定細菌 / 遺伝子発現 / オーキシン応答性遺伝子 / インドール-3-ピルビン酸デカルボキシラーゼ / 転写因子 |
Research Abstract |
Azospirllum属細菌は、植物根圏に生息し窒素固定を行うだけでなく、インドール-3-酢酸(IAA)などの植物ホルモンを生産して植物の生長を促進する。A.lipoferum FSにおいては、IAA生合成の鍵酵素であるインドール-3-ピルビン酸デカルボキシラーゼ(IPDC)の遺伝子の5'上流のプロモーター領域近傍のinverted repeat sequence(IRS)に結合する2種のタンパク質の存在が示されたが、それらのうち、一方はオーキシンの添加の有無に関わらず結合能を有し、もう一方はオーキシンの存在下で緒合能を失うことが明らかになっている。以上の事実は、ipdCの発現がオー午シン依存性と非依存性の2種のDNA結合タンパク質(転写因子)によって制御されていることを示している。そこで、本研究では、これら2種の転写因子をコードする遺伝子の単離を目的とした。A. lipoferum大量培養し、得られた菌体の1抽出液から、IRSとの緒合活性を指標にして、陰イオン交換、ゲル濾過クロマトグラフィーによって精製した後、アフィニティークロマトグラフィーを行った。その結果、IRS結合タンパク質候補として、数種のタンパク質が得られたため、現在、それらの部分アミノ酸配列の決定を試みている。 一方、A.lipoferum FSときわめて相同性の高いipdC遺伝子を有しているA.brasilenseSp.245の菌体抽出物から同様の精製方法によりIRSに結合するタンパク質の単離に成功した。現在、当該タンパク質のアミノ酸配列の解析を行っている。また、ipdC5'上流域とレポーターのβ-glucuronidaseの融合遺伝子をA. lipoferum FSに導入した組換え体の作製に成功した。この組換え体を用いてiopdC遺伝子の詳細な発現解析も行う予定である。
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