2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経栄養因子BDNFの、脊髄神経節よる脊髄後索に入る突起における作用
Project/Area Number |
13877005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
猪口 哲夫 久留米大学, 医学部, 教授 (90080556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正利 久留米大学, 医学部, 助手 (30320154)
太田 啓介 久留米大学, 医学部, 助手 (00258401)
猪口 哲夫 久留米大学, 医学部, 教授 (90080556)
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Keywords | 神経栄養因子 / BDNF / 脊髄後索核 / 弧束核 / 三叉神経脊髄路核 |
Research Abstract |
脊髄神経節(DRG)細胞の中枢側突起は後根より脊髄内(終帯)へ進入した後、後角に入るものと後索に入るものに大きく分かれる。後索に入ったものはそのまま上行して延髄に至り後索核に終末するが、この神経路に神経栄養因子(特にBDNF)は如何なる関わり方をしているであろうかとの問いが、本研究の主題である。 平成13年度に於いて、我々は、成熟雄性ラットを用いて、i)無処置群、ii)片側坐骨神経切断群の2群につき、脊髄の後角、後索、延髄の後索核とその近傍の組織切片を作成し、各種抗BDNF抗体による免疫組織化学反応を行った。尚、ii)群動物の場合、片側坐骨神経切断後1週間経過して該組織の摘出を行った。 これまでの観察の結果、1)無処理群ラットでは、後索核群においてBDNF免疫陽性(BDNF-IR)神経線維はわずかしか観察されない。 2)坐骨神経切断後のラット後索核(同側)では、特に薄束核において、BDNF-IR神経線維が無処置群に比し顕著に増加している。 3)坐骨神経切断後のラット後索核(対側)では、2)項に示すような特徴はみられない。また、2)3)いずれの場合でも、楔状束核における変化は乏しい。 4)孤束核、三叉神経脊髄路核、外側網様核には、著明なBDNF-IR線維が存在する。 という結果であった。現在、上記の所見のもつ意味を検討しており、今後に坐骨神経以外の末梢神経切断実験及び幼弱動物における観察などを計画中である。
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