2001 Fiscal Year Annual Research Report
新たな前頭葉機能検査を用いたストレス・精神疲労の精神生理学的定量化の試み
Project/Area Number |
13877059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金野 滋 東京医科歯科大学, 保健管理センター, 助教授 (90126219)
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Keywords | 前頭葉機能検査 / 照合テスト / 色文字 / 精神疲労 / 精神生理学 |
Research Abstract |
今回新たに考案した前頭葉機能検査は、まず、記憶ターゲットとして「色文字(例えば、赤で書かれた緑という漢字)」が短時間提示され作動記憶に取り込まれた後、1〜10秒後(可変性を持たせた設定)に照合の手掛刺激として、「漢字(黒で書かれた)」か「色(四角形に塗った)」の2種類のカテゴリーのどちらかが示される。手掛刺激のカテゴリーの種類によって、記憶している「色文字」の「色」か「漢字」のどちらと照合するか決めておき、記憶ターゲットと手掛刺激が一致しているか不一致かをクリックボタンを押して答える。この課題を繰り返す。つまり、作動記憶パッドの上で、記憶ターゲットとカテゴリー変換がランダムに起きる手掛刺激を照合させるという認知作業課題である。単純反応時間の測定や、カテゴリー変換しない条件などでの測定も当然行う。具体的な記憶ターゲットと手掛刺激の組み合わせや提示順序など、全ての検査手順の設計に沿って、検査をプログラム化した。これによって、検査はコンピューター画面上に提示して行い、正誤を右または左クリックで回答できるようにした。検査結果として得られる値は、反応時間(刺激提示から回答までの時間(msec単位))と回答の正誤である。 現在、健常者にこの検査を試行し、記憶ターゲットと手掛刺激の提示間隔など、検査の至適条件の設定や方法の細部の改良を行っている。その結果として、刺激間隔は可変式とした。また、より難度の高い記憶ターゲットと手掛刺激の組み合わせを加える必要性が明らかになり、これを加えた。その上で、健常者の検査値の分布を求めている段階である。なお、1人あたりの検査時間は約45分を要する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kaneno, S., Fukamauchi, F., Komatsu, H Koyama, K., Ikawa, K: "Peversal effect of sulpiride on rocational behaviour of rats with unilateral frontal cortex ablation : an althrnative explanation for the pharmacological mechanism of its antidepressant effrct"Behavioural Pharmacol. 12. 69-73 (2001)
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[Publications] 谷合 哲, 渡辺 直子, 大澤 里恵, 牧野 泰子, 金野 滋: "無線送信システムによる自動健診システムの開発"Campus Health. 37. 133-138 (2001)