2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア及び核遺伝子多型と生活習慣の生活習慣病発症に対する関連性の交互作用
Project/Area Number |
13877060
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊嶋 英明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10023657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八谷 寛 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30324437)
玉腰 浩司 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30262900)
近藤 高明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00195900)
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Keywords | 遺伝子多型 / ミトコンドリア遺伝子 / 核内遺伝子 / 個人情報保護 / 生活習慣 / コホート研究 / がん / 死亡 |
Research Abstract |
「コホート研究による発がん要因の評価に関する研究(文部科学省)」において、同意を得て保存されたDNA試料1457人分について、「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を遵守し、β3アドレナリン受容体遺伝子、ミトコンドリア遺伝子(5178)、CYP1A1遺伝子、GSTM1遺伝子の各多型を判定し、その頻度、生活習慣との関連、追跡期間中の死亡リスクについて検討した。1990年のベースライン時から1999年までの追跡期間中の死亡者は1457人中119人、転出のため追跡不能者は22名であった。 (1)多型の頻度 ・β3アドレナリン受容体遺伝子変異ホモ型のArg/Argは3.5%、ヘテロ型のTrp/Argは30.5%に認められた。 ・ミトコンドリア遺伝子で長寿に関連するとされる5178番目の塩基がAであるタイプは32.0%に認められた。 ・CYP1A1の3'側の変異型遺伝子(Msp I多型)の頻度はホモ型6.0%,ヘテロ型36.4%であった。 ・GSTM1の完全欠損型の頻度は52.1%であった。 (2)多型と生活習慣・健診成績との関連 ・喫煙及び飲酒習慣と各多型には統計学的に有意な関連性は認められなかった。 (3)多型と追跡期間中の死亡との関連 ・性別、年齢を調整したロジスティック回帰分析において、いずれの多型も追跡期間中の死亡とは有意な関連性は有さず、喫煙、飲酒を補正しても同様の結果が得られた。 ・CYP1A1*2A (Msp I多型)とGSTM1の完全欠損の有無によって4群に分類したところ、CYP1A1*2A-GSTM1欠損はCYP1A1*2A-GSTM1非欠損に比し、追跡期間中の死亡リスクが有意に低かった(前者の累積死亡率6.7%、後者の累積死亡率9.3% ; OR:0.48、95%CI:0.25-0.93)。
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