2002 Fiscal Year Annual Research Report
微量環境汚染化学物質の微生物レベルでの新しい毒性評価法の開発
Project/Area Number |
13877065
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Research Institution | Wayo Women's Junior College |
Principal Investigator |
後藤 政幸 和洋女子大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (90105304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒巻 輝代 宇部短期大学, 健康福祉学科, 教授 (40141692)
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Keywords | 環境汚染化学物質 / 微生物毒性 / 毒性評価法 / ジクロロ酢酸 / トリクロロ酢酸 / ジブロモ酢酸 / トリブロモ酢酸 / E.coli / S.epidermidis |
Research Abstract |
研究目的:微量環境汚染化学物質の毒性評価として、微生物を用いた簡便かつ有効な評価法を開発する。 研究概要:ヒトでの肝機能障害が認められているハロ酢酸の内、環境中に検出されるジクロロ酢酸(DCA)、トリクロロ酢酸(TCA)、ジブロモ酢酸(DBA)およびトリブロモ酢酸(TBA)4化合物のEscherichia coliおよびStaphylococcus epidermidisに対する増殖毒性を研究した。以下に毒性試験の概略を示す。手指由来のE.coliおよび鼻腔由来のS.epidermidisを試験に用いた。生理食塩水に懸濁したE.coliおよびS.epiderimidisを、E.coliはデソキシコレート培地上に、S.epidermidisはマンニット食塩培地上に十字状に塗沫する。中央部にφ8mmペーパーディスクを置き、上記4化合物の5〜5000mg/l水溶液をそれぞれ100μl滴下する。37℃、24時間培養後、ディスク周辺1mm以内の集落を取り、生理食塩水に懸濁させて新しいデソキシコレート培地およびマンニット食塩培地に十字状に塗沫する。同様にディスクを置き試験溶液を滴下させ培養する。本操作を再度繰り返す。全3回にわたる接触試験の結果、E.coliおよびS.epidermidisの増殖障害(集落不形成)がディスク周辺10mm以上に認めたものを毒性有りと判定して、その判定反応時の濃度を求めた。結果、E.coliに対する増殖毒性強度はDBA(200mg/l)>DCA(500mg/l)>TBA(1000mg/l)>TCA(>5000mg/l)、S.epidermidisに対する増殖毒性強度はDBA(10mg/l)>DCA(100mg/l)>TCA(1000mg/l)>TBA(2000mg/l)であった。また、毒性感度は、TBA以外はS.epidermidisの方がE.coliより高かった。今後は、本法による各化合物毒性の量-反応関係に関する評価法の開発、さらには再現性の問題等について研究し、新開発法の妥当性を検討する。
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