2002 Fiscal Year Annual Research Report
A〜C群ヒトロタウイルスと下痢症以外の疾患との関連に関する研究
Project/Area Number |
13877124
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
谷口 孝喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40094213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 康弘 藤田保健衛生大学, 衛生学部, 講師 (70241148)
前野 芳正 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70131191)
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
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Keywords | ロタウイルス / 脳炎 / 下痢症 / 髄膜炎 / B群ロタウイルス / サイトカイン / 髄液 |
Research Abstract |
ロタウイルス感染後に中枢神経疾患(髄膜炎、痙攣、脳炎、突然死)を呈する例が報告されている。また、髄液中にロタウイルスRNAが検出される例が報告されている。本研究では、愛知県下の病院より計17症例が集まった。髄液中のウイルス遺伝子(特に、VP7遺伝子)の検出を試みた。コンタミネーションがないよう、十分に配慮してRT-PCRを行った結果、いずれのサンプルも陰性であった。そこで、インフルエンザ脳炎で指摘されている髄液中サイトカインの検討にはいった。サイトカインの検出は、得られた髄液の量が少なく、測定できなかったので、髄液中のサイトカインに対するmRNAの検出に焦点をあてた。検索した各サイトカインmRNAは、IL-12、IL-6、IL-10、IL-15、IL-17、IFN-γ、IL-1β、TNF-α、GM-CSFおよびMCP-1である。17症例中での、それぞれのサイトカインmRNAの検出頻度は、0例、14例、7例、0例、14例、0例、0例、11例、10例および0例であった。こうした、炎症系サイトカインmRNAの産生と中枢神経疾患との因果関係について、さらに詳細に検討予定である。便中のロタウイルス抗原検出は、いずれも、ロタレックスなどの簡易キットで臨床検査の段階でなされていた。ウイルス側の要因についても検討を加えるため、便中のウイルス遺伝子について、ポリアクリルアミド電気泳動、RT-PCR、塩基配列決定により、その性状を検討した。1例はノロウイルス検出例であった。病理解剖がなされる例が皆無のため、腸管上皮細胞以外でのロタウイルス増殖を検討できない。これまで、ロタウイルス感染関連の中枢神経疾患での髄液中のサイトカインあるいはサイトカインmRNAの検出の報告は皆無であったので、本研究における成績は意義深い。これらの結果は、現在、論文作成準備中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sanekata T et al.: "Detection of human group B rotavirus in Thailand"Journal of Clinical Microbiology. 41・5(In Press). (2003)
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[Publications] Adah MI et al.: "Molecular epidemiology of rotaviruses in Nigeria : detection of unusual strains with G2P[6] and G8P[1] specificities"Journal of Clinical Microbiology. 39・11. 3969-3975 (2002)
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[Publications] Adah MI et al.: "First detection of human group C rotaviruses in Nigeria and sequence analysis of their genes encoding VP4, VP6 and VP7 proteins"Journal of Medical Virology. 66・2. 269-275 (2002)