2001 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線による免疫抑制作用におけるプロスタグランディンE_2の関与
Project/Area Number |
13877130
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
錦織 千佳子 京都大学, 医学研究科, 講師 (50198454)
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Keywords | プロスタグランディンE_2 / 紫外線 / 免疫抑制 / IL-10 / IL-4 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
紫外線照射により、IL-4、IL-10の産生量は線量依存性に増加すること、紫外線照射したマウスに抗IL-4抗体や抗IL-10抗体を腹腔内注射することで遅延型の過敏反応の抑制が阻止されることが知られている。一方、PGE_2を腹腔内注射すると血清中のIL-4、IL-10が上昇すること、cyclooxygenase2(cox-2)インヒビターをUV照射したマウスに処理すると血清中のIL-10のレベルが減少することなどから、この系でプロスタグランディンの関与が示唆されているが、詳しいメカニズムは不明である。プロスタグランディンE_2(PGE_2)は、細胞外からの様々な刺激に応じてアラキドン酸を基質にしてシクロオキシゲナーゼ系で産生される生理活性物質の1つで、対応する受容体はEPと呼ばれ、4つのサブタイプ(EP_1、EP_2、EP_3、EP_4)が存在し、その局在と構造、性質が異なることが明らかになってきた。本年度は紫外線による遅延型過敏反応の抑制反応に重要な役割を演じていると考えられているIL-10の発現を、4種類のPGE_2レセプター(EP_1、EP_2、EP_3、EP_4)ノックアウトマウスについて、in vivoでUVB5kJ/m^2照射後1日後に、皮膚を採取して免疫組織化学的手法により野生型マウスと比較した。EP_2、EP_4ノックアウトマウスで野生型と比較して大きな差はなかったが、EP_1ノックアウトマウスでは野生型に比して明らかにIL1-10の発現が低かった。このことはPGE_2産生→1L-10産生→免疫反応の抑制のpathwayがEP_1レセプターを介して作用することを示唆している。今後そのタイムコースを見ることとともに、もう一つの重要な抑制性のサイトカインであるIL-4についても血清中のサイトカインを測定することなどで検討したい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Otoshi E, Matsumura Y, Nishigori C et al.: "Useful application of DNA repair teits for ditterential diagnosis of atypical dyscmomatosis symmefica hereditoria from xerodema picpentosium"Brit. J. Dermafol. 144. 162-168 (2001)
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[Publications] Tanioka M, Ikoma A, Morita K, Fujii H, Toda K-I, Takahashi K, Nishigori C, Tanaka T, Miyachi Y: "Augosaroma of the scalp : absence of vascular endothelial cadherin in primary and metartafic lessons"Brit. J. Dermafol. 144. 380-383 (2001)
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[Publications] 錦織千佳子: "色素性乾皮症-DNA傷害と免疫-"アレルギーと免疫. 8. 410-415 (2001)
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[Publications] Kitao A, Nobuhara S, Koreedas, Nishigori C, Miyachi Y: "Persistent uiticoira-urticarial reaction coursed by late pnace reaction?"Eur J Dermafol. 11. 440-442 (2001)
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[Publications] Matsumura Y, Nishigori C, Miyachi Y: "The analopes of P16 gene status of non-familial dysphasic revues syndrome patients"Arch Dermafol Res. 293. 540-542 (2001)
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[Publications] Kitoh A, Arina Y, Nishigori C, Miyachi Y: "Tissue adhesive causes postoperative allergic mornings"Lancet. (in press).