2001 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈瘤に対する高有孔性ステント型人工血管治療 犬の胸部大動脈における実験的検討
Project/Area Number |
13877140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
大内 泰文 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (40304224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 公彦 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (00332776)
橋本 正幸 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284005)
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Keywords | ステント型人工血管 / ステント グラフト / 大動脈瘤 / 解難性大動脈瘤 / 高有孔性人工血管 |
Research Abstract |
径0.3mmステンレス鋼線(SUS304)牽を用いて6bendのGianturco型ステントを作成した。このステントを1本のストラットで連結し2連とし、血流に対し垂直に膜を張るように、高有孔性人工血管(porosity 10,000ml/min/cm^2)を縫い付け、ステントオクルーダー(以下ステントメッシュ)を作成(直径10mm、長さ35mm)した。このステントメッシュを、ビーグル犬6頭に対し、全身麻酔下で右大腿動脈を露出させ、経大腿動脈的に腹部大動脈内に留置し、メッシュ上下の動脈圧を測定した。留置直後の動脈圧は、メッシュ上下とも同等であったが、その後メッシュ上動脈圧,はおおよそ一定にあるにもかかわらず、メッシュ下動脈圧は経時的に漸減する傾向が認められた(動脈圧較差の出現および経時的な開大)。具体的には、留置15分後の動脈圧較差(メッシュ上動脈圧・メッシュ下動脈圧)は、ビーグル犬1は95mmHg、2は124mmHG、3は15mmHg、4は77mmHg、5は86mmHg、6は0mmHg(平均66mmHg)であった。 高有孔性人工血管は、従来ステント型人工血管(ステントグラフト)に使用した場合、その高いporosityにより留置後急性期における血流遮断能力が懸念されているが、大動脈という非常に圧の高い留置下に、しかも血流に対し垂直に膜を張るような留置環境においてでさえ、メッシュ上下で動脈圧較差が発生する傾向が認められたことから、ステント型人工血管の1膜素材として有用である可能性が示唆された。
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