2001 Fiscal Year Annual Research Report
造血細胞におけるアポトーシス阻害因子c-IAPの機能解析
Project/Area Number |
13877162
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
北川 誠一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50133278)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 賢一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305618)
|
Keywords | 好中球 / アポトーシス / cIAP / G-CSF / STAT3 / cIAP2 / GM-CSF / AG490 |
Research Abstract |
アポトーシス阻害因子cIAP(cytoplasmic inhibitor of apoptosis)ファミリーに属する分子、すなわちcIAP1、cIAP2およびXIAPが、mRNAおよび蛋白質レベルでヒト好中球、単球およびリンパ球に発現していることを明らかにした。好中球においては、これらの分子の中で、cIAP2が特異的にG-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)刺激により誘導され、GM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)刺激では誘導されなかった。cIAP2mRNAの増加はG-CSF刺激30分後に検出され、cIAP2蛋白質の増加は1時間後に検出された。また、cIAP2蛋白質の増加はG-CSF投与を受けているドナーから採取した好中球でも検出された。このことは、in vitroばかりでなくin vivoにおいても、G-CSF刺激によりcIAP2が誘導されることを示している。G-CSF刺激により誘導されるcIAP2 mRNAおよび蛋白質の増加、STAT3のチロシンリン酸化および抗アポトーシス作用は、いずれもJAK2阻害剤であるAG490により阻害された。シクロヘキシミド存在下で培養すると、cIAP2蛋白質のレベルが低下し、この低下に続いて好中球のアポトーシスが認められた。したがって、好中球のアポトーシスの制御にcIAP2が重要な役割を果たしており、G-CSFはJAK2-STAT3を介してcIAP2を誘導することにより抗アポトーシス作用を示すと考えられた。また、慢性好中球性白血病の好中球においては、好中球寿命の著しい延長と共にcIAP2 mRNAが極めて強く発現していることを明らかにした。本症発症におけるcIAP2高発現の意義についてさらに明らかにしたいと考えている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Suzuki, K., Hino, M., Kitagawa, S.: "Cleavage of MAP kinases in human neutrophils undergoing apoptosis : role in decreased responsiveness to inflammatory cytokines"J. Immunol.. 166. 1185-1192 (2001)
-
[Publications] Takahshi, T., Suzuki, K., Kitagawa, S.: "Activation of human neutrophil by cytokine-activated endothelial cells"Circ. Res.. 88. 422-429 (2001)
-
[Publications] Suzuki, K., Hino, M., Kitagawa, S.: "Selective activation of p38 mitogen-activated protein kinase cascade in human neutrophils stimulated by IL-1β"J.Immunol.. 167. 5940-5947 (2001)
-
[Publications] Saeki, K., Kitagawa, S., Yuo, A.: "Diverse effects of cytochalasin B on priming and triggering the respiratory burst activity in human neutrophils and monocytes"Int. J. Hematol.. 74. 409-415 (2001)
-
[Publications] Aoyama, Y., Suzuki, K., Kitagawa, S.: "A novel cell surface antigen, 4C8, is expressed on human eosinophils"Cytometry. (in press). (2002)