2001 Fiscal Year Annual Research Report
Naチャネル活性化因子プロスタシンのノックアウトマウスによる解析
Project/Area Number |
13877166
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 公夫 熊本大学, 医学部, 教授 (40114772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 健一郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10304990)
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Keywords | Naチャネル / ENaC / プロスタシン / セリンプロテアーゼ / 尿中Na排泄 |
Research Abstract |
私たちはラット腎臓より新しいセリンプロテアーゼであるプロスタシンのcDNAクローニングに成功した。このセリンプロテアーゼはヒトおよびラットにおいて腎臓に強く発現し、その他前立腺、大腸、胃、肺、皮膚などのENaCが発現している上皮性組織に低レペルの発現を認めた。また、抗プロスタシン抗体による免疫染色では腎臓の上皮細胞管腔側の細胞膜に発現を認め、尿中にもその存在を認めている。さらに私たちはアフリカツメガエルの卵母細胞にENaCとプロスタシンを発現させることにより、プロスタシンがENaCを活性化することを世界で初めて証明した。 しかしながらプロスタシンの生体における生理学的役割は不明である。本研究の目的はプロスタシン遺伝子のノックアウトマウスを作成し、プロスタシンの生理学的役割を個体レペルで解析することにある。 本年度はプロスタシン遺伝子欠損マウスの作製の準備段階にある。まず、ES細胞にターゲティングベクターをエレクトロポレーション法により導入し、相同組換えの起きた細胞をPCR法により同定する。マウス初期胚へES細胞をマイクロインジェクションし、偽妊娠雌マウスに移植する。生まれてきたキメラマウスをバックグラウンドマウスと交配し、ヘテロマウスを作製する。さらにヘテロマウス同士を交配し、ホモマウスを作製する。 これと並行して、プロスタシンの生体における生理的機能を検討するため、プロスタシンの抑制薬をラットに持続投与し尿中の電解質排泄を検討した。尿中プロスタシン排泄低下とともに、尿中Na排泄量の減少が認められ、プロスタシンは生体においてNa貯留作用を持つことが推測された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Adachi M.: "Activation of epithelial sodium channels by prostasin in Xenopus Oocytes"J. Am. Soc. Nephrol.. 12. 1114-1121 (2001)
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[Publications] Narikiyo T.: "Regulation of prostasin by aldosterone in the kidney"J.Clin. Invest.. 109. 401-408 (2002)