2002 Fiscal Year Annual Research Report
抗原堤示の場としての二次的リンパ組織の意義の解明と免疫寛容誘導への基礎的検討
Project/Area Number |
13877183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 宏明 京都大学, 医学研究科, 助手 (40314215)
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Keywords | 二次リンパ組織 / 同種皮膚移植 / 抗原提示 / alyマウス / CD8^+asialo GM1^+ T細胞 / 抗asialo GM1抗体 |
Research Abstract |
アロ抗原提示と感作における二次的リンパ組織の意義を調べるために、リンパ節欠損のミュータントマウスであるaly/alyマウス(H-2^d)を用いて、アロの皮膚移植実験を行った。昨年度の研究において、二次的リンパ組織を持たない脾摘aly/alyマウスにBALBマウス(H-2^b)の尾部皮膚を移植するとアロ皮膚移植片の生着期間は延長するものの半数以上は拒絶されることを確認し、二次的リンパ組織に依存しない拒絶反応機構の存在が示唆された。本年度は、二次的リンパ組織に依存しない拒絶反応に関わっている細胞サブセットの候補としてCD8^+asialo GM1^+ T細胞に着目した。すなわち、aly/+マウス、aly/alyマウス、脾摘aly/+マウス、脾摘aly/alyマウスをrecipientとしてアロの皮膚移植を施行し、抗asialo GM1抗体を投与してグラフトの生着期間の観察と末梢血液中のCD8^+asialo GM1^+ T細胞の推移を検討した。aly/+マウスと脾摘aly/+マウスとでは抗asialo GM1抗体の効果は認めず、aly/alyマウスでは若干のグラフトの生着延長を認めるのみであった。一方、脾摘aly/alyマウスに抗asialo GM1抗体を投与すると、120日間の観察期間で100%の生着を認め、120日を過ぎた時点で抗asialo GM1抗体の投与を中止すると、200日目までに全例においてグラフトは拒絶された。また、末梢血液中のCD8^+asialo GM1^+ T細胞の割合は、脾摘aly/alyマウスに抗asialo GM1抗体を投与している間は抑制されていたが、投与を中止すると次第に増加し同時にグラフトは拒絶されたため、二次的リンパ組織に依存しない拒絶反応のeffctor細胞としてCD8^+asialo GM1^+ T細胞の関与が強く示唆された。
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