2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝線維化疾患におけるKupffer cell選択的遺伝子治療の試み
Project/Area Number |
13877205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 成尚 京都大学, 医学研究科, 助手 (30253298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281730)
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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Keywords | HVJ-liposome / kupffer cell / TGH-beta |
Research Abstract |
肝臓外科においては、肝硬変等の肝障害の存在が肝切除の適応を決定する上で非常に重要であり、更に、術後は、感染や循環不全に伴い肝機能低下を来すことが稀ではなく、肝障害が大きな主題である。肝硬変は勿論、術後肝機能低下や高ビリルビン血症の原因は肝組織における炎症反応が主因のひとつであり、Kupffer細胞が大きく関与していることは周知のところである。本研究においては、先ず、HVJ-liposomeを用いて、Kupffer細胞に選択的に遺伝子導入が可能かを検討した。陽電荷を伴うHVJ-liposome(HVJ-cationic liposome)を門脈内投与して、Kupffer細胞に選択的かつ効率的に遺伝子導入することを試みた。FITCラベルのoligodeoxynucleotideを封入したHVJ-cationic liposome、HVJ-anionic liposome、HVJを含まない従来のcationic liposomeをラットに投与した。経門脈的に投与されたHVJ-cationic liposome内のFITCラベルのoligodeoxynucleotideは24時間後まで細胞障害なく、従来のcationic liposomeや経静脈的に投与されたHVJ-cationic liposomeより、高い導入効率でKupffer細胞に選択的に導入された。一方、HVJ-anionic liposome内に封入されたFITC oligodeoxynucleotideは、主として肝細胞に観察された。この新しい手法は基礎研究、臨床応用の両方の分野で、Kupffer細胞の活性を調節するのに有用であると考えられた。現在この結果に基づき、TAA投与によるラット肝硬変モデルにおいて、TGF-betaのantisense oligonucleotideを経門脈的に投与し、肝硬変発症が抑制されるか検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yashida M: "Suppression of proliferative cholangitis by E2F decoy oligodeoxynucleotide"J Surg Res. 102(2). 95-101 (2002)
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[Publications] Yoshida M: "Kupffer cell targeting by intraportal injection of the HVJ-cationic liposome"Eur Surg Res. (in press).