2003 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子レベルでの血管狭窄病変の機序解明と遺伝子導入によるその治療戦略
Project/Area Number |
13877212
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
森下 靖雄 群馬大学, 医学部, 教授 (40145470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 群馬大学, 医学部, 助手 (20292584)
倉林 正彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00215047)
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Keywords | 転写因子 / BTEB2 / 血管狭窄病変 / 血管平滑筋 / 遺伝子導入 / 動物実験モデル |
Research Abstract |
平滑筋細胞の増殖を調節するZn-finger型転写因子のBTEB2は重要な転写因子と予測され,血管内膜の肥厚を正に調節している可能性がある.そこで転写因子BTEB2の発現経過を検討するために,各種の動物実験モデルを作製してBTEB2の発現様式を検討した.その結果,血管平滑筋の増殖の結果起こる狭窄病変においてその形成過程で特異的に平滑筋細胞に発現することが確認された(尾形敏郎ほか,脈管学41;2001.451-456,Ogata T et al.,J heat Jung Transplant 2001 20:228).なお,この時用いた動物モデルの一つは,外科的侵襲による血管内膜障害の新しいモデルであった.このモデルでは,ラット腹部大動脈に対し切開縫合による侵襲を加えた結果,2週間目をピークに内膜肥厚が完成することが確認された(Ogata T et al.,J Cardiovasc Surg (Torino) 2001 42:753-757).この結果は、血管外科における血管吻合部狭窄モデルとして有用であり,臨床応用の可能性も高い.更に,今回の結果を発展させて,1)血管移植や心移植への応用,2)BTEB2遺伝子を導入したアデノウィルスを用いて,培養血管平滑筋細胞における増殖制御効果の判定,3)各種血管吻合狭窄モデルにBTEB2遺伝子導入を行い,血管内膜肥厚の制御効果等に本実験の結果は期待が持てる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小和瀬桂子, 倉林正彦: "平滑筋形質変換誘導因子BTEB2はPDGF-A鎖遺伝子発現を誘導する"日本内分泌学会雑誌. 76・2. 481 (2000)
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[Publications] 田中亨, 倉林正彦: "発症機序と治療 遺伝子転写制御と心血管リモデリング"Cardiac Practice. 12・1. 77-82 (2001)
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[Publications] 尾形敏郎, 他9名: "血管狭窄病変におけるZn-finger型転写因子BTEB2の発現様式"脈管学. 41. 451-456 (2001)
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[Publications] Toshiro Ogata, et al.: "Smoth muscle cell proliferation at the vascular anastomotic stricture in rat aertotomy model"J cardiovasc Surg (Torino). 42. 753-757 (2001)
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[Publications] Toshiro Ogata, et al.: "Inducible expression of basic transcription factor binding profein 2 in allograte vaxcular disease"J Heart Lung Transplant. 20. 228 (2001)
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[Publications] 倉林正彦: "高血圧に伴う血管障害と転写因子"Molecular Medicine. 40. 408-414 (2003)