2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60278687)
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Keywords | 頭部外傷 / 神経幹細胞 / 神経再生 |
Research Abstract |
我々は、神経幹細胞移植による頭部外傷後の機能解析を目指している。しかし、損傷脳へ移植された幹細胞は、最近の報告にもある通り、ニューロンよりもむしろグリアへ分化する傾向にある。そこで現在、我々は、(1)損傷脳における幹細胞の動向とそれを取り巻く環境の把握、(2)移植だけでなく、内在性の神経幹細胞をニューロンへ分化させることによる神経再生、について研究を行っている。 (1)Cortical impacterを用い頭部外傷ラットを作成、BrdU投与、免疫組織染色により神経幹細胞の動向を調べた。成体ラットにおいて神経幹細胞は側脳室周囲と海馬歯状回に存在すると言われている。我々の実験でも外傷後、この二つの領域におけるBrdU陽性細胞が増加し、外傷による神経幹細胞の増殖が確認できた。しかし、側脳室周囲の細胞増殖は両側性であるのに対して、海馬の細胞増殖は外傷側のみであった。次に、細胞増殖が両側性であった側脳室周囲細胞にGFPラベルしたアデノウイルスを感染させ、外傷後の側脳室周囲細胞の移動を観察した。コントロールでは外傷2週間後、GFP陽性ニューロンが大脳皮質に観察されたが、外傷ラットではGFP陽性細胞の移動は認められず、外傷後に神経幹細胞は増殖するものの、ニューロンヘの分化は抑制されていた。そこで、細胞増殖がピークであった外傷4日後の側脳室周囲組織を取り出し、cDNAマイクロアレイを用いて外傷後の遺伝子発現を検討した。外傷後の側脳室周囲において99遺伝子の発現が有為に上昇、207遺伝子の発現が有為に低下していた。現在RT-PCR、in Situハイブリダイゼーションにより確認を行っているところである。 (2)成体ラットの内在性神経幹細胞に遺伝子導入を行い、ニューロン新生を促そうとしている。現在は、Mashやneurogeninといったneuronal遺伝子をレトロウイルスで神経幹細胞に導入するため、レトロウイルスの作製を行っているところである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shiozaki Tadahiko, Akai H, Taneda M, et al.: "Delayed hemispheric neuronal loss in severely head-injured patients"Journal of Neurotrauma. 18. 665-674 (2001)
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[Publications] Shiozaki Tadahiko, Hayakata T, Taneda M, et al.: "A multicenter prospective randomized controlled trial of the efficacy of mild hypothermia for severely head-injured patients with low intracranial pressure"Journal of Neurosurgery. 94. 50-54 (2001)
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[Publications] Hashiguchi N, Ogura H, Shiozaki T, et al.: "Enhanced expresssion of heat shock proteins in activated polymorphonuclear leukocytes in patients with sepsis"Journal of Trauma. 51. 1104-1109 (2001)
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[Publications] Hashiguchi N, Ogura H, Shiozaki T, et al.: "Enhanced expresssion of heat shock proteins in leukocytes from trauma patients"Journal of Trauma. 50. 102-107 (2001)