2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877225
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塩崎 忠彦 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60278687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (50196474)
田中 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252676)
杉本 壽 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90127241)
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Keywords | 頭部外傷 / 神経幹細胞 / 神経再生 |
Research Abstract |
最近の研究で、哺乳類成体内の神経幹細胞に損傷部位へ新しい神経を供給する潜在能力のあることが初めて示された(Cell 2002,Nature Medicine 2002)。このような潜在能力をもつ神経幹細胞の外傷後の動向を理解し、内在性神経幹細胞の神経新生能力を利用することによって、損傷後の中枢神経を再生させることを目標としている。 昨年度の報告で、頭部外傷後の中枢神経において、『側脳室周囲で神経幹細胞の増殖と思われる細胞増殖が見られること』と、『損傷部位には外傷後2週間までは側脳室周囲から新生した神経細胞が供給されていないこと』を報告した。更に、外傷後の側脳室周囲における遺伝子発現のprofilingを、cDNAマイクロアレイ法を用いて行ったことを報告した。今年度は、cDNAマイクロアレイ法でprofilingした遺伝子について、RT-PCRによる発現上昇の確認、in situ hybridizationによる側脳質周囲での発現局在の確認を行った。Profilingした97発現上昇遺伝子の中からピックアップした遺伝子のうち、calmodulin 2、gelsolin、MARCKS-like protein、cornichon-like protein、metallothionein 3、Bak protein、PSD-95、neurochondrin、nasal embryonic LH-RH factorの9遺伝子について、RT-PCRによる遺伝子発現の上昇を確認した。更に、calmodulin 2、gelsolin、MARCKS-like protein、metallothionein 3については、in situ hybridizationにより側脳室周囲での発現の局在を確認した。現在、発現の確認できた遺伝子について、TAT protein、或いはレトロウイルスを用いることにより、神経幹細胞へ遺伝子導入し、in vitro、in vivoにおける機能解析を行っているところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hashiguchi N, Ogura H, Shiozaki T, et al.: "Mild hypothermia reduces expression of Heat Shock Protein 60 in leukocytes from severely head-injured patients"Journal of Trauma. (in press).
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[Publications] 塩崎 忠彦: "頭蓋内圧の低い重症頭部外傷患者に対して脳低温療法は必要ない"医学のあゆみ. 204. 512-514 (2003)