2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
湯口 貴導 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00322181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森内 秀祐 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90322180)
甲村 英二 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30225388)
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Keywords | 脊髄損傷 / 遺伝子治療 / 脊髄虚血 / NFκB / decoy |
Research Abstract |
脊髄損傷モデルを確立し、脊髄損傷後の細胞応答反応を把握すること、次にそれらを細胞内レベルで制御することにより一次損傷に引き続き生じる二次損傷を最小限に抑えることを目的とした。脊髄損傷モデルは、wistarラット(体重250g)の第10胸椎椎弓切除後に脳動脈瘤用のテンポラリークリップ(把持圧70g)を用いて3秒間圧挫して作成し、ラット胸髄一定圧挫傷モデルとした。脊髄虚血モデルは2F-Fogartyカテーテルを左頚動脈から下行大動脈内に挿入し、大動脈内で10分間インフレーションすることにより作成した。両モデルとも麻酔覚醒後、対麻痺を呈していた。傷害の程度はHE染色にて検討した。またラット抗Ig G抗体による免疫染色にて浮腫の広がり、並びに抗ED1抗体を用いてマクロファージの浸潤の程度を評価した。遺伝子導入実験としてlac Z遺伝子を発現するHSVを作成し、胸腰髄神経細胞でのlac Zの発現を検討した。HSVを用いての導入効率が上手く上がらない一方、HVJ liposomeを用いることにより高い導入効率が得られたのでHVJ lipsomeをベクターとして使用することも検討した。導入遺伝子としてNFκBに対し拮抗作用を有するdecoyを作成した。FITC標識NF-kB decoyを用いて、十分な導入が得られることが確認できた。NF-kB decoyの作用により脊髄虚血の範囲は縮小される傾向が見られ、ED1陽性細胞の浸潤範囲も抑制されていた。さらにSrc kinase inhibitorであるPP1のVEGFに関連して生じる浮腫の抑制効果も検討した。PP1群では対照群と比べて、浮腫の広がりは有意に縮小され、またED1陽性細胞の浸潤も、PP1群においてより有意な浸潤の抑制を認めた。以上のデータより脊髄損傷に対す両治療法の可能性が期待される。今後これらの定量的な評価が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nishio M, Kohmura E, Yuguchi T: "Epression of Heat Skock Protein-70 mRNA following transient spinal cord ischemia in rat"Neurotrauma Res.. 12. 52-56 (2000)
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[Publications] Nishio M, Kohmura E, Yuguchi T: "Changes in Apolipoprotein E expression after transient spinal cord ischemia in rat"Neurotraumatology. 24. 63-67 (2001)
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[Publications] Kohmura E, Yuguchi T: "Changes in tissue-plasminogen activator mRNA expression follwing cortical ablation in the rat brain"J Mol Neurosci. 11. 53-59 (2000)