2001 Fiscal Year Annual Research Report
金コロイドを使用した、血管内皮に付着する造影剤の開発
Project/Area Number |
13877230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
好本 裕平 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50242061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞田 知幸 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90316604)
田中 喜展 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90316571)
保谷 克巳 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60270873)
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Keywords | 金コロイド / 内皮細胞 / ビオチン / 造影剤 / アビヂン |
Research Abstract |
本実験の目的は、造影性のある物質を血管内面に付着させ、血流の存在下で血管内面の状態をX線下で細かく観察する方法を開発することである。その造影物質として、アビヂンあるいはビオチンを有する金コロイドを使用し、内皮細胞表面をビオチン化することにより、金コロイドが内皮細胞に付着し、造影性をもつことを研究を行った。まず、培養内皮細胞を用いてIn vitroで行った。蛋白のビオチン化試薬N-hydroxysuccinimidylester-biotin(MHS ester-biotin)を培養内皮細胞に投与し、細胞表面蛋白にビオチンを結合させる。その後、ストレプトアビヂンに結合した金コロイド(電子顕微鏡での研究のための試薬として製品化されている)を投与し、洗浄し、金コロイドが細胞のmonolayer上に付着しているかを評価する。まず、評価の方法としては、電子顕微鏡を用いた。走査型電子顕微鏡で観察を行うと、投与直後には、細胞表面上に粒子が観察された。しかしながら1時間後には観察されなかった。透過型電子顕微鏡で観察すると1時間後には細胞内に認められたが、3時間後には細胞内には殆ど存在せず、細胞外に存在する、細胞膜の小さなfragmentの中に金コロイドの粒子の存在が確認された。次に、培養プレート上に、培養内皮細胞のmonolayerを作成し、同様の方法で金コロイドを細胞に投与した。これにX線を照射し培養細胞のmonolayerをフィルムに撮しだし、そのX線に対する造影性の程度の評価を試みた。胸部レントゲン写真等で通常使用するフィルム及び撮影条件では、金コロイドの造影性は確認されなかった。原因としては、金コロイドの濃度が低すぎたことがあげられるが、filmを乳腺撮影用のより繊細なものに変更し、X線の条件を変更する必要があると考えられた。
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