2002 Fiscal Year Annual Research Report
金コロイドを使用した、血管内皮に付着する造影剤の開発
Project/Area Number |
13877230
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
好本 裕平 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50242061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
眞田 知幸 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90316604)
田中 喜展 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90316571)
保谷 克己 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60270873)
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Keywords | 金コロイド / 内皮細胞 / ビオチン / 造影剤 / アビヂン |
Research Abstract |
本実験の目的は、造影性のある物質を血管内面に付着させ、血流の存在下で血管内面の状態をX線下で、細かく観察する方法を開発することである。生きている内皮細胞の細胞蛋白を蛋白質のビオチン化剤(NHS-LC-biotin)にてビオチン化し、ストレプトアビヂンのラベルされた、金コロイドを内皮細胞に付着させる実験を行った。電子顕微鏡による観察では、処置の直後、1時間後には内皮細胞上あるいは中に金コロイドが付着しているのが観察され、約3時間後には消失していた。このことよりある時間、金コロイドが血管内面に付着し造影性を持つ可能性が示唆された。24 well plate上に生やした培養内皮細胞を直接ビオチン化し、そこに種々の濃度のストレプトアビヂン-金コロイドを与え細胞に結合させbuffered paraformaldehydeにて固定した。plate全体を乳腺撮影用の軟線X線およびX線filmで撮影した。X線filmの透過性をdensitometerにて測定したが、コントロールと比べて有意な透過性の低下つまり金コロイドの内皮細胞への付着はレントゲンフィルムで確認できなかった。また、金コロイドに直接N-hydroxysuccinimidyl esterがついた物質を直接培養内皮細胞に与え金コロイドを付着させる実験を行ったが、有意なデータは得られなかった。ラットを用いたin vivoの実験を行った。左の頚動脈から、バルーンつきのマイクロカテーテルを挿入し、下行大動脈をバルーンで閉塞し、その遠位側にカテーテルの先端からビオチン化剤そして洗浄後ストレプトアビヂン-金コロイド溶液を投与し、血管内面に付着させた。その後にバルーンによる閉塞を解除し血流を回復させ、30分後にラットを安楽死させた。軟線X線で撮影したが、有意な所見(つまり大動脈壁が造影されているか?)は認められなかった。
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