2002 Fiscal Year Annual Research Report
慢性関節リウマチにおける自己免疫応答の発現機序の解明
Project/Area Number |
13877248
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
加藤 章嘉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90287219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真希 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00266701)
辻 美智子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80207365)
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Keywords | 慢性関節リウマチ / 自己免疫応答 / c-fos遺伝子 / コラーゲン関節炎 |
Research Abstract |
RAは、自己抗体の出現とともに、全身の関節の進行性の破壊をきたす疾患である。RA関節の滑膜を対象とした研究の歴史は長いにもかかわらず、未だ、自己免疫応答の発現の成因や関節の骨・軟骨破壊に対する有効な治療法については明らかにされていない。近年、RAにおいて、c-fos遺伝子が過剰に発現されることにより滑膜、破骨細胞や骨芽細胞が活発化され、関節破壊や関節周囲の骨粗鬆変化が進行する可能性が報告されている。我々も、多くの臨床例ならびに研究から、本遺伝子が関節構成体のみならず免疫担当細胞にも発現し、RAにおける自己免疫応答の発現に関与しているとの仮説をたててきた。そこで、本研究では、近年の遺伝子工学的手法を用いて、RAにおける自己免疫応答の発現と関節局所での免疫応答との関係を分子生物学的に解明することを試みた。 c-fos遺伝子をC57B6マウスのH2プロモーターの下流域に組み込みH2-c-fos transgenic mouseを作製し、このH2-c-fos transgenic mouseにII型コラーゲンによる実験的関節炎を惹起し、関節炎の発症、II型コラーゲンに対する免疫応答(抗体産生)、関節・リンパ節・骨髄の組織学的検討から関節破壊の成立に必要な因子について検索した。 その結果、CIAマウスでは、軟骨細胞および軟骨下骨骨髄の細胞においてc-fosが過剰発現し、軟骨組織内の軟骨マトリックスの合成を抑制し、分解酵素とそのインヒビターとの不均衡をもたらすことにより、関節炎の発症ならびに関節破壊の進行に重要な役割を演ずるものと思われる。
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