2002 Fiscal Year Annual Research Report
コラーゲン誘発関節炎マウスにおける脳内urocortin発現と関節炎発症との関連
Project/Area Number |
13877250
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
大西 英生 産業医科大学, 医学部, 講師 (20279342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖本 信和 産業医科大学, 医学部, 助手 (70330991)
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
|
Keywords | urocortin / CIAマウス / 脳 / 関節 |
Research Abstract |
9週齢のDBA1/Jマウスを用い、コラーゲン誘発関節炎(CIA)マウスと対照マウスを作成した。それぞれ3匹に対し、屠殺後脳を摘出した。urocortin(ucn)が局在する視床下部神経核である、視索上核(SON)、室傍核(PVN)および正中隆起(ME)の部分を、ミクロトームで厚さ40μmの連続標本を作成した。ucn抗体を用いてABC法で脳標本の免疫組織染色を行った。MEでのみ染色陽性を示したが、対照群と比較すると差がなかった。次に、脱灰後パラフィン包埋した膝関節の10μm薄切標本をucn抗体で染色した。滑膜組織と軟骨下骨に存在した多数の多核巨細胞に染色陽性が認められたが、対照群との差はなかった。 つづいて、近年同定されたurocortinII(ucnII)に着目し、脳および膝関節への分布を検索した。CIAマウス3匹、対照マウス3匹を用い、脳および膝関節の薄切切片を抗ucnII抗体を用いて染色した。CIA群のPVNでわずかに染色陽性を認めたが、その他の脳内神経核、膝関節周囲では対象群と同様に陽性反応はなかった。 さらに、アジュバント関節炎ラットを用いてucnの脳での分布を調べた。抗原接種後8日(関節炎発症前)、14日後(発症後)のラットを用いて検討した。脳の40μmの薄切切片をucn抗体で染色した。SONとMEのみ8日、14日後とも両群で染色陽性を示したが、対照群との差はなかった。SONでは細胞周囲の神経繊維が強く染色されていた。現在、膝関節の免疫組織染色を行い、ucnの発現を検討中である。 今回免疫組織染色にてucnの存在が確かめられた脳神経核では、今後in situ hybridization法を用いてmRNAレベルで再評価する予定である。
|