2001 Fiscal Year Annual Research Report
成長過程における痛みに対する感受性変化のメカニズム
Project/Area Number |
13877254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 助教授 (70181419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018853)
瀬尾 憲司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40242440)
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Keywords | 侵害刺激 / 顎関節 / マスタードオイル / 性成熟 / テストステロン / 筋電図 / 三叉神経 |
Research Abstract |
本年度はラット三叉神経への侵害刺激の感受性について以下の検討を行った。 1.三叉神経の侵害刺激に対する中枢性の修飾におけるセロトニン受容体の関与 生後8週齢の雄性ラットを用い、ハロセン麻酔下にマスタードオイルを顎関節に投与し、投与側と対側の顎筋筋電図を記録する実験モデルにおいて、セロトニン受容体拮抗薬の髄腔内投与がマスタードオイルによる顎筋興奮応答を修飾することを示した。三叉神経の侵害刺激に対する中枢性修飾におけるセロトニン受容体の関与を示唆した。 2.三叉神経の侵害刺激に対する感受性変化における性ホルモン(テストステロン)の影響 (1)生後4週齢および生後8週齢の雄性ラットを用い、ハロセン麻酔下にマスタードオイルを顎関節に投与し、投与側と対側の顎筋筋電図を記録したところ、マスタードオイル投与側の対側における顎筋活動の応答は、4週齢では8週齢に比較して小さいことがわかった。(2)生後4週齢で睾丸を摘出したラット(去勢ラット)でも、8週齢になっても正常ラットに比較して、対側顎筋活動の応答が有意に小さいことがわかった。(3)生後4週齢で睾丸を摘出し、その後8週齢になるまでテストステロンを投与したラットでは、正常に成長したラットと対側の顎筋活動の応答に有意差がないことがわかった。(4)マスタードオイル投与側と同側の顎筋の応答には、成長やテストステロン投与による(1)〜(3)のような影響はみられなかった。(5)侵害刺激に対する中枢性の修飾については、正常ラット、去勢ラット、(去勢+テストステロン投与)ラットともに有意の差異はみられなかった。以上より、4週齢以降の性成熟期において、三叉神経への侵害刺激に対する対側顎筋の応答が正常に発達するには、テストステロンの存在が必要であることが示された。このテストステロンの作用は、同側での応答や、中枢性修飾には影響を及ぼさないことが示唆された。
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Research Products
(1 results)