2003 Fiscal Year Annual Research Report
成長過程における痛みに対する感受性変化のメカニズム
Project/Area Number |
13877254
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 教授 (70181419)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 洋子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018853)
瀬尾 憲司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40242440)
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Keywords | 成長 / 侵害刺激 / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 膠様質細胞層 / 膜電位画像 / 高頻度連発刺激 |
Research Abstract |
強い痛み刺激のモデルとして高頻度刺激を用い、延髄スライスおよび脊髄スライスにおける興奮性応答の広がりが成長によってどのように変化するかを検索した。生後1,2,4,6および8週齢の各成長段階において、マウス延髄スライス標本作製し、辺縁層神経線維束への高頻度刺激(100μA,100μsで100Hz,30回)を行うと、生後1,2週では興奮性応答が辺縁層と膠様質内の浅い領域にとどまり、4週では興奮性応答が拡大するようになり、6,8週では、持続した膜脱分極が膠様質からさらに深部層へと広がるのが観察された。6,8週で観察された深部層への広がりは、NMDA受容体ブロッカーMK-801およびNK1受容体拮抗薬L-703.606で抑制された。一方、生後24時間以内にカプサイシンを皮下投与してc-線維を脱落させたマウスでは、生後6,8週でも、高頻度刺激による持続した膜脱分極の広がりはほとんど観察されなかった。マウス延髄における高頻度刺激による興奮性応答の広がりは、生後の成長とともに増大することから、成長とともに強い痛みへの感受性が強くなることが示唆される。カプサイシによるc-線維の脱落マウスでの興奮性応答の消失は、高頻度刺激によるc-線維終末の持続的な膜脱分極がNMDA受容体の活性化させ、さらに、サブスタンスPなど痛覚物質の放出を惹き起こす可能性が考えられる。とくに、持続性興奮応答の深部層への伝搬には、サブスタンスPの関与が強く示唆された。今後、成長の各段階において、延髄三叉神経脊髄路核尾側亜核における、高頻度刺激による膜興奮の広がりとサブスタンスPとNK1受容体の分布とを比較検討することで、成長過程での痛みの感受性変化のメカニズムを解明することが期待できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kenji Seo: "Teatsteron generates postnatal development of trigeminal nociceptive response in the rat"IASP 10th world congress on pain (proceeding). 10. 392 (2002)
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[Publications] Kenji Seo: "Male rats require testosterone to develop contralateral digastric muscle activity in response to noxious stimulation of the temporomandibular joint"Neuroscience Letters. 335. 107-110 (2002)
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[Publications] Kenji Seo: "Intrathecal administration of 5-HT_3 receptor agonist modulates jaw muscleactivity evoked by injection of mustard oil into the temporomandibular joint in the rat."Brain Research. 934. 157-161 (2002)
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[Publications] Kenji Seo: "Repetitive afferent stimulation propagates excitation in the trigeminal caudalis"NeuroReport. 14・10. 1321-1325 (2003)