2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子徐放化マトリックスを用いた腎再生・修復モデルの構築
Project/Area Number |
13877265
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Keywords | 腎再生 / 増殖因子 / 徐放化 |
Research Abstract |
実験方法:グルタールアルデヒド架橋collagenスポンジを用いて円筒形にし、ポリプロピレンのメッシュで埋設collagenをおおったものを足場とした。足場に間様系幹細胞を欠損あたり、1×10^6個および1×10^7個の細胞と徐放化した。bFGF100μgを封入し3時間培養ののちに欠損部に入れた。Fischer(F344)ratを麻酔下に左腎の中腎盃の外側皮質部にピンセットでdefectをつくり、細胞・徐放体を含んだ足場を埋め込む。腎外側皮膜を7.0ナイロンで1針縫合して脱離を防ぐ。規定期間後、左腎を回収する。左腎に切開を加えるときは、欠損の長径中央で切断されるように留意した。Fischer(F344)ratコラーゲン+bFGF100μg+MSC1×10^6 32匹、Fischer(F344)ratコラーゲン+bFGF100μg+MSC1×10^7 16匹、アドリアマイシン誘導腎炎モデル:Fischer(F344)rat ADM+コラーゲン+bFGF100μg+MSCI×10^6 16匹 結果:免疫学的背景が同じと思われるF344ratから採取した間葉系幹細胞をF344に埋めた系では、いずれの系でも、腎再生像をみとめなかった。この結果はbFGFの投与の有無にも関係がなかった。アドリアマイシン誘導腎炎モデルでは、16匹中24週sacrificeに1例36週sacrificeに1例、集簇する糸球体と尿細管像をみとめた。 考察:平成13年度の結果を踏まえ、syngeneicとされるF344ratをもちい、埋め込む間葉系幹細胞数も10^7まで増やしておこなったが、腎再生像が観察されなかった。この原因として厳密な意味でSyngeneicでなかった可能性があるが、これを解決するにはautoでおこなう必要がある。アドリアマイシンで腎炎を誘導すると、内因性の修復因子の発現が亢進していると期待され、その状況での欠損部腎再生はこれまでの群にくらべ比較的高率(1/8)に腎再生像が観察された。
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