2001 Fiscal Year Annual Research Report
女性生殖器細胞の増殖、分化、アポトーシス調節におけるアドレノモデュリン発現の役割
Project/Area Number |
13877274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丸尾 猛 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60135811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武木田 茂樹 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60324927)
佐藤 朝臣 神戸大学, 医学部・附属病院, 助手 (90314484)
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Keywords | アドレノモデュリン / 絨毛癌 / JAr / 子宮頚部癌 / 扁平上皮癌 / Caski / アポトーシス |
Research Abstract |
adrenomedullinは副腎褐色細胞腫から発見された生理活性物質であり,血管拡張作用のみならず多彩な生物活性を有することが知られている.女性生殖器細胞との関わりでは,既に我々は絨毛細胞(cytotrophoblast),黄体顆粒膜細胞ならびに分泌期子宮内膜細胞において,adrenomedullinの存在をmRNAレベルならびに蛋白レベルで確認している.今回,絨毛細胞のモデルとなる絨毛癌(JAr)細胞株を用いて,adrenomedullinのJAr細胞における生物学的意義について研究を行った.JAr細胞はadrenomedullinを合成・分泌することをmRNAレベルならびに蛋白レベルで確認した.さらに[^<125>I]で標識したadrenomedullinとJAr細胞との結合能を検討したところ,JAr細胞はadrenomedullinの特異的な受容体を有することが確認された.絨毛cytotrophoblastのモデルとなるJAr細胞でadrenomedullinの特異的受容体の存在が確認されたことより,adrenomedullinがautocrine/paracrine機構を介して絨毛細胞の増殖・分化に関与する可能性が示唆される.以上の研究成果はThe Journal of Clonical Endocrinology & Metabolism 86(8):3958-3961,2001に発表した. また,子宮頚部扁平上皮癌(CaSki)細胞においてmRNAレベルでadrenomedullinの存在を確認し,さらに子宮頚部組織におけるadrenomedullinの発現を正常,CIN1,CIN2,CIN3,浸潤癌(扁平上皮癌)で免疫組織学的に検討するとadrenomedullinは正常ならびにCIN病変では発現を認めなかったが,浸潤癌病変で扁平上皮癌ならびに浸潤部位の間質細胞にadrenomedullinの強い局在を認めたことより,adrenomedullinが扁平上皮癌の増殖・浸潤に重要な関わりを持っていることが示唆された.この研究データはInternational Journal of Clinical Oncology 6:263-270,2001に発表した. 今後,各生殖器細胞のin vitro培養系を確立し,adrenomedullin受容体(結合)の確認,各細胞の増殖・分化・アポトーシスに及ぼす生物作用について,さらにはadrenomedullin分泌を調節している因子について検討を加えていく予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshitake Moriyama: "Expression of Adrenomedullin by Human Placental Cytotrophoblasts and Choriocarcinoma JAr Cells"The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism. 86(8). 3958-3961 (2001)
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[Publications] Zhunan Li: "Implication of Adrenomedullin Expression in the invasion of Squamous Cell Carcinoma of Uterine Cerzix"International Journal of Clinical Oncology. 6. 263-270 (2001)