2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877282
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 壽一 京都大学, 医学研究科, 教授 (90176339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 純 京都大学, 医学研究科, 助手 (30252448)
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Keywords | 再生 / 内耳 / 有毛細胞 / 神経肝細胞 / 移植 |
Research Abstract |
本研究の目的は、動物を用い、障害を受けたに内耳有毛細胞を修復・再生させることである。主に内耳の感覚細胞(有毛細胞)が障害を受けることにより生じる感音難聴はこれまで治療が非常に困難とされてきた。感音難聴をきたした蝸牛を組織学的に検索すると、比較的初期の段階では内耳の形態はほぼ正常に保たれており、内耳有毛細胞のみが障害を受けていることが多い。逆にいえば、障害を受けた内耳有毛細胞を修復・再生させることができれば内耳機能が回復し、さらには感音難聴難聴の治療に結びつく可能性もある。具体的には、内耳へ各種神経栄養因子の投与および幹細胞の移植という手段を用いる。 本年度は内耳に移植する幹細胞としてまず海馬由来神経幹細胞を用いた。海馬由来神経幹細胞は動物実験の段階では中枢神経系の様々な部位に移植されており、それぞれの組織に分化したという報告がある。マウス胎仔より海馬由来神経幹細胞を分離・培養した。海馬由来神経幹細胞は動物実験の段階では中枢神経系の様々な部位に移植されており、それぞれの組織に分化したという報告がある。これをアミノ配糖体薬物で内耳に傷害を与えたマウスの内耳に移植した。移植された神経幹細胞は内耳の各部位で生着し、一部は内耳有毛細胞に分化するような所見もみられた。さらにラット胎仔の内耳の原基より、内耳由来の幹細胞を分離することに成功した。今後は海馬由来神経幹細胞を内耳に投与したと同じ手技で内耳由来の幹細胞を内耳に移植し、組織学的、機能的検討を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 伊藤 壽一: "難聴と遺伝カウンセリング"耳鼻咽喉科臨床. 95巻1号. 1-5 (2002)
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[Publications] 伊藤 壽一: "内耳感覚細胞再生によるへ平衡障害の改善"Equilibrium Research. 61巻2号. 109-111 (2002)
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[Publications] 伊藤 壽一: "人工内耳の将来"特集 感覚器障害の臨床Update日本医師会雑誌. 127巻9号. 1492-1496 (2002)
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[Publications] 伊藤 壽一: "奇形・重複障害児の人工内耳"耳鼻咽喉科・頭頸部外科. 74巻11号. 777-780 (2002)
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[Publications] 伊藤 壽一: "耳鼻咽喉科臨床に対するEBM"耳鼻咽喉科臨床. 96巻1号. 1-5 (2002)
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[Publications] 伊藤 壽一: "内耳の再生"特集 再生医療の現状と将来展望 日本医師会雑誌. 129巻3号. 352-354 (2002)