2002 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光共鳴エネルギー転移を応用したイノシトール三リン酸の細胞内動態のイメージング
Project/Area Number |
13877314
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
東城 庸介 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90111731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 貴雄 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (20326549)
根津 顕弘 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (00305913)
谷村 明彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (70217149)
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Keywords | FRET / イノシトール1,4,5-三リン酸 / GFP / CFP / YFP / イメージング |
Research Abstract |
蛍光共鳴エネルギー転移(fluorescence resonance energy transfer, FRET)を利用してイノシトール1、4、5-三リン酸(IP_3)のバイオイメージングを試みた。 1)Cyan Fluorescent Protein (CFP)の遺伝子の3'末端にYellow Fluorescence Protein (YFP)の遺伝子を融合させ、さらにその5'末端に細胞膜局在シグナル遺伝子を融合させたCFP-YFP融合タンパク質発現ベクターを作成した。2)RatのIP_3受容体タイプ3(IP_3R type 3)をテンプレートとして、PCRを用いてIP_3Rのリガンド結合ドメインをコードする遺伝子断片を作成した。3)IP_3Rの遺伝子断片をCFP-YFP融合タンパク質の発現ベクターに挿入し、CFP-IP_3Rリガンド結合ドメイン-YFPを細胞膜に発現させるベクターを作成した。4)融合タンパク質をヒト耳下腺培養細胞(HSY細胞)に発現させ、425nmの励起光でCFPを励起したところ480nmのCFPの蛍光に加えて、525nmのYFPの蛍光が認められた。このことからCFP-IP_3Rリガンド結合ドメイン-YFP融合タンパク質でFRETが起こっていることがわかった。5)融合タンパク質発現細胞をサポニンで穿孔し、IP_3で刺激したところ、IP_3の濃度に依存したFRET効率の変化(YFP蛍光の減弱)が認められた。以上の結果から、FRET現象を利用したIP_3の可視化プローブの作成が可能であることが示唆された。
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