2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNA障害修復過程におけるアラキドン酸代謝酵素15―リポキシゲナーゼの役割
Project/Area Number |
13877318
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20300882)
角 忠輝 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (80284701)
片山 郁夫 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (80295089)
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Keywords | p54^<nrb> / X線 / 紫外線 / DNA障害 / 白血病細胞 |
Research Abstract |
昨年度、15-リポキシゲナーゼの白血病細胞におけるタンパク質発現を調べている課程で、我々は〜23kDaのタンパク質が、X線や紫外線の照射後数時間以内に発現上昇してくることを見出した。そして、15-リポキシゲナーゼの別のエピトープを認識する抗体では、このタンパク質の発現が検出できないことなどから、15-リポキシゲナーゼとは別のタンパク質である可能性が高いと考えた。 本年度、この23kDaのタンパク質が何かを同定するために、TOF-MAS解析、タンパク質内部配列分析を行った。その結果、23kDaのタンパク質は、p54^<nrb>(nuclear RNA-binding protein,54kDa)タンパク質が切断されたN末の部分ではないかと考えられた。よって、RT-PCR法を用いてp54^<nrb>のmRNAの発現を調べた。また、p54^<nrb>のN末のエピトープを認識する抗体を作製し、23kDaのタンパク質の発現を検出する事を確認した。よって、このタンパク質はp54^<nrb>のN末部分であると同定した。 p54^<nrb>は、RNAおよびDNAに結合するタンパク質として知られている。また、DNAトポイソメラーゼ、Spi-1およびPSF(pyrimidine tract binding protein-associated splicing factor)と関連して働き、転写因子またはRNAスプライシング因子として働くのではないかと推測されている。今後、DNA障害時における、23kDaのタンパク質の核内での役割の解析を進めていく予定である。
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