2001 Fiscal Year Annual Research Report
根面に残存する歯根膜の組織培養法を用いた新しい歯牙保存法の開発
Project/Area Number |
13877320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川浪 雅光 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (10133761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 彰 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20301913)
菅谷 勉 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10211301)
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Keywords | 歯周組織再生 / 歯根膜細胞 / 組織培養 / 歯牙保存法 / 歯牙移植 |
Research Abstract |
歯周組織再生において歯根膜由来細胞は結合組織性付着の形成に重要な役割を持つと考えられている。我々は4〜6週間の歯根膜の組織培養により残存歯根膜から歯根膜由来細胞が遊走増殖し、ルートプレーニングした根面を被覆することを報告した。本年度は、抜去歯に残存した歯根膜をin vitroで組織培養した後に下顎骨に形成した骨窩洞へ移植し、移植した後に形成される組織について病理組織学的に検討した。実験にはネコを用い、抜去した犬歯から3×3mmの根面に歯根膜が付着した試験片を28個作成し、以下の4群に分け下顎骨に移植した。すなわち、歯根膜が付着した試験片を培養せずに埋植したPC群、それぞれ2,4週間培養した後埋植した2、4週群、歯根膜をすべて除去した後、培養せず直ちに移植したNC群である。移植後4週で被験動物をsacrificeし、通法に従って脱灰標本を作製した。その結果、NC群では、アンキローシスと根吸収は全例に認められたが、2、4週群、PC群ではアンキローシスと根吸収はほとんど認められなかった。2週群ではPC群と比較して歯根膜様組織は少なく、歯根表面の線維の走行が根面に平行な結合組織が増加していた。4週群では、歯根膜様組織は2週群よりも少なく、根面に平行な結合組織は2週群より増加していた。これらの結果から、根面に付着している歯根膜を2、または4週間培養後にin vivoへ移植した場合、アンキローシスを起こさずに結合組織性付着が形成される可能性が示唆された。しかし、培養期間が長くなった場合の経時的な変化など今後さらに培養期間と移植後の治癒形態について検討する必要があると考えられた。
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