2001 Fiscal Year Annual Research Report
光硬化型ペースト陶材による審美修復に関する基礎的研究
Project/Area Number |
13877325
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 尚弘 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70178747)
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Keywords | ペースト陶材 / 光硬化型 / 審美修復 / 焼成プログラム / 灰分残留 |
Research Abstract |
今年度は、これまでの一連の研究ですでに開発済みのペーストタイプ陶材を光硬化型に改良することが最大の目標であった。ポーセレンマージン用には(株)ジーシーからすでに光硬化性のリキッドが発売されているが、この液をぺースト陶材と直接混和して用いるのは以下の理由により困難であった。 1.マージンポーセレンPLCの練和液をペースト陶材と混和すると、ペーストの稠度が変化し、築盛に最適な稠度が失われる。 2.マージンポーセレンPLCはマージン部のみに少量使用することを目的として開発されており、今回のようなボディー陶材に大量に用いるといった状況は想定されていないため、焼成後の灰分の残留が問題となった。また、粉末と比較してペーストは焼成時の有機成分の抜けが悪く、その分灰分残留に一層の拍車をかける結果となった。 以上の理由から、すでに開発済みのペースト陶材にあとから光硬化性の練和液を加える方式を断念し、ペースト陶材を作製する時点で2重結合を官能基とするメタクリレートモノマーを加えた形で新たなペースト陶材を開発することにした。 (光硬化型ペースト陶材の開発手順) 先述のごとく、ペースト陶材の光硬化型への改良に際して最大の問題は焼成時の灰分残留であった。これは陶材で最も大事な色調に直接悪影響を及ぼすため、最初に解決すべき問題である。実験はまず、試作した光硬化型ペースト陶材で、厚みの異なる円板試料を作製し、陶材の厚みと灰分の残留の程度を明らかにしながら、最終的には最大1. 5mmの厚みでも灰分残留の無いペースト陶材を開発する。 (焼成プログラムの検討) 焼成時の灰分残留対策の一環として,光硬化型ペースト陶材の開発と併行して最適な焼成プログラムの開発を行う.すなわち、次年度はペースト陶材そのものの改良と合わせて、焼成プログラムの点からも灰分残留対策を試みる。
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