2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢期における適切な義歯装着と痴呆予防の関連性-fMRI法による解析
Project/Area Number |
13877326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤田 雅文 岐阜大学, 医学部, 講師 (50021449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 靱彦 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (70084770)
渡邊 和子 岐阜大学, 医学部, 講師 (40158621)
小野塚 実 岐阜大学, 医学部, 助教授 (90084780)
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Keywords | 痴呆 / 義歯 / fMRI / 小脳 / 扁桃体 / 高齢社会 / 海馬 |
Research Abstract |
1.レジンを用いて、被験者の歯に厚さ1mmの単独人為的早期接触を造り、咀嚼を課題とした全脳対象のfMRI計測を行って得た結果について、まず報告する。いずれの被験者においても、人為的早期接触を装着した場合には装着しない場合より、咀嚼に伴って活性を上昇させる脳部位の範囲が明らかに広く、かつ活性中心の信号上昇率も高かった。本研究において焦点を当てている小脳においては、右に人為的早期接触を装着すれば右の小脳皮質前葉に確実に活性中心が認められた。また、同側視床外側腹側核および対側大脳皮質体性感覚野にも明確にその位置を同定しうる強さでの活性中心が得られた。その他、解剖学的に、早期接触を施した歯からの感覚入力を中継していると考えられる諸核においても活性中心の特定が十分に可能であった。目下、歯の部位に対応した小脳における地図すなわち"歯地図"作りを進めると共に、その小脳部位とリンクした他の脳部位におけるデータの整備を実施している。与えられた3年の研究期間内には、小脳のみならず他の脳部位も含めた壮大な歯の脳内マップを完成させる計画である。 2.不快な聴覚刺激、あるいは視覚刺激を与えた際に扁桃体が活性を上昇させる事実を確認した上で、同一高齢ボランティアに高さの異なる義歯を装着していただき、咀嚼課題に伴って活動を上昇させる脳部位を検討した。この結果、日常使用している義歯よりも高く作った義歯が扁桃体の活性を大きく上昇させることが分かった。そして、(1)の人為的早期接触の際にも適応することであるが、不適切な歯の調整を行った際に、扁桃体の活性度が被験者の認識を必要としない不適切度の客観的評価基準として有用なことが判明した。 3.咀嚼が高齢者の記銘時の海馬の活動を上昇させる結果について、平成13年度の神経科学学会において発表した。今後、義歯の適否の海馬活動への影響を調べる予定である。
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