2001 Fiscal Year Annual Research Report
Composite Graftによる口唇口蓋裂患者の顎裂部咬合形成法の開発
Project/Area Number |
13877338
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石井 正俊 東京医科歯科大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70212826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝比奈 泉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (30221039)
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Keywords | 口唇裂・口蓋裂 / 骨移植 / 顎裂再建 / BMP / ニホンザル |
Research Abstract |
両側性人工顎裂の作成 雄のニホンザル(Macaca fuscata)を実験動物として用いた。人工顎裂の作成部位はヒト顎裂をできるだけ忠実に再現することを考え、上顎側切歯、犬歯部に設定した。まず上顎側切歯、犬歯を抜歯し、次いで上顎中切歯遠心から第一小臼歯近心までの幅30mm、歯槽頂から梨状口側壁・鼻腔底にわたる全層の高さ20mmの骨を削除した。その後鼻腔側粘膜を切開し鼻腔と口腔を顎裂部にて交通させ、鼻腔と口腔の各粘膜を翻転させて痩孔を作成した。その結果、顎間骨は鼻中隔のみで連続した状態となり、強い可動性がみられた。 顎裂モデルの確立 作成された鼻口腔瘻は自然閉鎖せずに残存し、顎間骨は可動性を有していた。またX線学的所見では顎裂作成1週後では断端部の骨面が鋭縁であるが、4週後には顎裂部断端の骨の表層が吸収し、皮質骨化してきている様子が観察された。8週後においても顎裂部断端の骨表層部はX線不透過性が増し皮質骨化しており骨の再生により連続性はみられなかった。 組織学的所見をみると非脱灰研磨標本で、骨断端口腔側は表面凹凸で新生した繊密骨質であったが、鼻腔側は緻密骨質が厚く成熟した皮質骨であった。また骨断端部の骨膜は変性が著明であった。脱灰標本では鼻口腔瘻部を被覆していた上皮は鼻腔側から順に多列円柱線毛上皮、多列円柱上皮から重層扁平上皮へと移行していた。 以上の結果より本実験の人工顎裂の骨欠損は、critical sizeであり、顎裂モデルとして適していることが確認された。
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