2002 Fiscal Year Annual Research Report
Bispectral Index(BIS)による精神鎮静施行時の鎮静度評価の確立
Project/Area Number |
13877342
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
寳田 貫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (70274107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 道夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30034094)
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Keywords | SEDATI0N / BIS / DENTAL / MIDAZOLAM |
Research Abstract |
広島大学歯学部倫理委員会の承諾を得た後,本研究を開始した。Bispectral Index(BIS値)が精神鎮静法施行時の鎮静度の評価に利用できるか,さらにBIS値により不意の手術侵襲によよる鎮静度の変化をリアルタイムに把握できるかどうかを検討した。 その結果,ミダゾラムによる静脈内鎮静法施行下では,BIS値(Mean±SD)は,鎮静前の安静時97.3±1.0,至適鎮静時80.5±6.2,至適鎮静状態での疼痛刺激後84.8±7.4,刺激後10分77.0±5.9と変動した。この変動は,one-way Repeated-Measure ANOVAで有意(P=0.0004)であり,多重比較テストにより鎮静前の安静時BIS値と他の時期のBIS値とに有意差を認め,至適鎮静時,至適鎮静状態での疼痛刺激後および刺激後10分のBIS値間には有意さを認めなかった。 すなわち,ミダゾラムによる静脈内鎮静によりBIS値は有意に低下したが,至適鎮静状態での疼痛刺激に対してBIS値は変化しないことがわかった。 血漿ノルアドレナリン濃度(pg/ml)(Mean±SD)は,鎮静前の安静時182.5±28.9,至適鎮静時139.8±39.9,至適鎮静状態での疼痛刺激後141.8±60.1,刺激後10分128.5±38.6と変動した。この変動はone-way Repeated-Measure ANOVAで有意(P=0.02)であり,多重比較テストにより,至適鎮静時,至適鎮静状態での疼痛刺激後および刺激後10分のBIS値間には有意差を認めなかった。 すなわち,ミダゾラム鎮静の至適鎮静状態では,疼痛刺激に対して血漿ノルアドレナリン濃度は変化しないことがわかった。 以上の結果より,BIS値が精神鎮静法施行時の鎮静度評価に利用でき,BIS値により不意の手術侵襲による鎮静度の変化を把握できる可能性が示唆された。
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