2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877348
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
たか野 真美 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00205832)
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Keywords | リドカイン / 局所麻酔薬効果 / コンドロイチン硫酸ナトリウム / 体性感覚誘発電位 / ラット |
Research Abstract |
歯科口腔外科領域で使用されている2%リドカインの添加エピネフリンは高濃度であり,循環器疾患患者や高齢者への使用は危険性が高い.そこで,循環動態へ影響を及ぼさずに十分な局所麻酔効果をもたらすことのできる歯科用局所麻酔薬を開発する目的で本研究を開始した. <実験1> 多糖類であるコンドロイチン硫酸ナトリウム(SCS)とヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を2%リドカインに添加した局所麻酔薬製剤(LC, LH)を作製し,その局所麻酔効果について2%リドカイン(L)と1/73,000エピネフリン添加2%リドカイン(LE)と比較検討した.評価方法は,これまでに著者らが行ってきたラット歯髄電気刺激により得られた体性感覚誘発電位(SEP)の第1次反応成分を測定する方法とした. その結果,各薬剤共に注射直後よりSEPの減少がみられ徐々に回復した.効果持続時間は注射前を対照値とするとLH(HPMD添加2%リドカイン)(25分)<L(30分)<LC(SCS添加2%リドカイン)(80分)<LH(90分)であった.最大抑制率はLC≒LE>LH>Lであった. 以上より,SCSはリドカインの効果を増強するがHPMCは増強しないことがしめされた.この結果については,日本歯科麻酔学会雑誌30巻2号に発表した. <実験2> そこで,SCSについて薬剤のpHが浸潤麻酔効果にどのように影響するかについて検討した.pH4,6,7について実験1と同様に実験をした. その結果,局所麻酔効力に差はみられなかったが,効果持続時間に差がみられ,LCpH7>LE>LCpH4≒LCpH6の順であった.pHを中性にするほど作用持続時間は延長を示した. <実験3> モルモット皮膚にて針刺激によりLCの皮下注射による局所麻酔効果を調べてみた. この結果は実験1と2と異なり,LEと比較して十分な効果が得られなかった. 今後,さらに多薬剤について検討し,循環動態を変化させずに2%リドカインの効果を増強し,さらに効果持続時間を延長できる薬剤を開発したいと考えている。
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Research Products
(1 results)