2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトアメロジェニン蛋白の合成と歯周組織再生能の評価
Project/Area Number |
13877353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
関口 浩 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00112798)
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Keywords | ヒト / アメロジェニン / 蛋白合成 / 歯周組織 / 再生 / 大腸菌 / 発現分泌ベクター |
Research Abstract |
ヒトゲノムDNA上に存在するアメロジェニン遺伝子のエクソンの遺伝情報を利用して,「複雑な分子形態を示すアメロジェニンに対応する遺伝子(cDNA)を人工的に構築する研究」ならびに「組換え型アメロジェニンを製造してアメロジェニンの修復材料としての可能性を追求する研究」に着手した.平成13年度は「ヒトアメロジェニンの中で最も単純な分子形態(AMG2-6-7)を表現する遺伝子を構築してそれを大腸菌で発現させる系」を開発した. 研究結果をまとめると,以下のとおりである. (1)ヒトゲノム上のX連鎖型アメロジェニン遺伝子の中に存在するexon2, exon6, exon7を連結させてヒトアメロジェニンの遺伝子断片(AMG2-6-7)を構築した. (2)オーバーラップエクステンション法を独自に改造して,ヒトシスタチンSの分泌シグナルをヒトアメロジェニン遺伝子(AMG2-6-7)に融合させることができた. (3)ヒトアメロジェニン発現分泌ベクターを構築する過程で,突然変異が導入されることもある.この実験ではIle(ATC)/Thr(ACC), Val(GTT)/Ile(ATT), Thr(ACA)/Thr(ACG)のほか塩基の欠落なども観察された.PCR法でDNAを増幅する場合にはこの点に注意を払わなければならない. (4)大腸菌JM109の細胞質の中で組換え型ヒトアメロジェニン(AMG2-6-7)を発現させ,シスタチンSの分泌シグナルを使って組換え型ヒトアメロジェニンをペリプラスム空間へ放出させることができた. (5)組換え型アメロジェニン(145アミノ酸;分子量約16.5kDa)は,SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法では21kDaと大きめに見積もられた.この現象はプロリンを多量に含む蛋白質(ヒトの唾液高プロリン含有蛋白質など)によく観察されている. 本研究成果の一部は,第74回日本生化学会大会(2001年10月24日)において発表した。
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