2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877357
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (40261523)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 栄吉 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80108547)
|
Keywords | CO / 呼気 / 歯肉炎 / 女子 / 若年者 |
Research Abstract |
口腔内気相においてメチルメルカプタン、硫化水素およびアンモニアなどが歯周疾患と関連して検出される事は周知の事実であるけれども、それらが歯周病のスクリーニングなどに広く利用されるまでには至っていない。その理由として、同じ個人における計測であっても様々な条件によって検出量が左右されるなどの再現性の乏しさや、必ずしも病態との正の相関が見られないなど、比較検討に際し定量性が十分確保できないためと思われる。本研究では口腔内気相の調査について、検知される一酸化炭素濃度が歯周疾患の病態と相関を得られるか否かを検討するための千人規模の大規模なスクリーニング調査を実施する。スクリーニングは本年4月、宮城県仙台市の中高一貫教育の女子校におけるほぼ全生徒を対象として実施する予定である。中村(1999)の知見によれば呼気中のCO濃度は血中COHb(ヘモグロビン)濃度と相関することが知られており、歯肉炎や歯周病により生ずる歯肉からの出血が口腔内気相にたいするCO濃度と正の相関を生ずる可能性が高いと思われるが、生活環境によって比較的高濃度のCOに曝露する機会のある個人によっては、口腔内由来のもの以外による呼気中CO濃度の上昇が表れる可能性がある。そのため、口腔内気相の調査にあたっては可能な限り口腔内の雰囲気のみを抽出できるようCO計測装置に工夫を凝らし、ストローにより試料の採取を行う独自の吸引装置を製作した。さらに食物、嗜好品および汚染された空気などに由来する歯周疾患以外の外来要因により生ずるCO濃度の上昇ケースを考慮する必要があるので、スクリーニングに先立ち、受診者すべてを対象に問診による食生活の状況および生活環境に関する調査が実施できるよう調査対象である学校側と交渉を行っている。このように来年度は口腔内気相におけるCO濃度の上昇ついて影響を与える様々な外来要因を排除した、いわゆる純粋なCOと歯周疾患の関連性について検索できるよう配慮を施したうえ、精密な相関を得るべく充分な調査数を確保したスクリーニングを実施するものである。
|