2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13877357
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石幡 浩志 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (40261523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 栄吉 東北大学, 歯学部附属病院, 教授 (80108547)
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Keywords | CO / 一酸化炭素 / 歯肉炎 / 歯周炎 / 気相 / 若年者 / 口腔 / 環境 |
Research Abstract |
本研究では口腔内気相の調査について検知される一酸化炭素濃度が歯周疾患の病態と相関を得られるか否かを検討するため大規模なスクリーニング調査を実施した。スクリーニングは2002年4月、宮城県仙台市の中高一貫教育の女子校における中学1年から高校3年までの6学年にわたる女子生徒1206人を対象として実施した。口腔内気相の調査にあたっては可能な限り口腔内の雰囲気のみを抽出できるようCO濃度計測装置に加え、ストローにより口腔内の雰囲気を選択的に採取する独自の吸引装置を製作した。歯周組織診査はCPIにて6歯を診査、これらの合計をCPI合計値とした。CPI合計値1〜6を示した比較的軽度の歯肉炎を示した被験者(1070)の口腔内気相におけるCO濃度は平均0.256ppmであり、一方CPI合計値7〜15を示した中度ないし高度の歯肉炎を示した被験者(136)ではこれが平均0.276ppmであったけれども、統計的な有意差は認められなかった。すなわち歯肉炎の進行により口腔内気相におけるCO濃度が上昇する可能性は示唆されるものの、これを確定するには至らなかった。これは装置がスクリーニング用途の比較的簡易に計測するシステムであり、1ppm以下の極めて微量のCO濃度を計測することが困難であったためと思われる。また、大気および空気汚染に由来する歯周疾患以外の外来要因から曝露するCO濃度影響を考慮するため、被験者全員にアンケート調査を実施した結果、タバコと煙を避ける習慣をもつ被験者(843)では、CO濃度が平均0.24ppmであったのに対し、普段の生活でタバコの煙にさらされる機会が比較的生じやすいと思われる被験者(349)では0.29ppmと、間接喫煙の影響を受けている可能性が示され、このシステムの環境評価における有用性は示されたと思われる。
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